2016年11月28日月曜日

1227 ケイ☆バレエスタジオ

良かったのはパート1の「カントリー・ガーデン」の工藤雅女と恵谷彰。パート2の「ゴットシャルク組曲」は福岡雄大と福田圭吾がコミカルなやり取りを交えながら技を魅せるところが面白かった。パート3の「Gebet」はスピード感のある音楽と振りで見飽きない。一部に矢上恵子が踊っていて大きな拍手を浴びていた。 教室の子どもを躍らせるのはかわいらしく微笑ましいが、あまりたびたびだとうんざりする。

1227 遊劇舞台二月病第薙難回公演 「survive」

人に害を与える熊は殺されるのに、なぜ人は殺されないのか。私には共感しがたい問題意識だ。 LGBTや熊害を絡めてというが、それっぽい登場人物を並べて無理につないだよう。レイプ被害の女、父親に虐待されて男性不信の女、トランスジェンダーの女、熊に仲間を殺された男など、誰もがトラウマを抱えている。サバイブというタイトルなのに、生き残ろうとしているようには感じられず、ただ、生きにくさだけが描かれる。無理やり盛り上げたようなラストでなんとなく片が付いたように見せているが、私には最後まで何が言いたいのかよくわからなかった。90分がとても長く感じた。

2016年11月26日土曜日

1125 五代目旭堂小南陵・四代目玉田玉秀斎~ダブル襲名披露興行

新玉秀斎の縁でジャズミュージシャンがでてくるなど、講談師の襲名らしからぬ様相。 玉秀斎の講談は無難な感じ? 新小南陵は緊張のせいか、硬く力が入っているように感じた。

2016年11月22日火曜日

1121 OSK日本歌劇団「ROMEO & JULIET」

楊琳のロミオが瑞々しい若者というか少年というか、恋に一途なピュアな風情で好感が持てた。正直、この物語はあまり共感できないのだが、このロミオは許せるというか。振り付けがいまいちだったり、物語の運びが残念だったりするのがつくづく惜しい。特にラストの墓場のシーン。ロミオ、ジュリエットそれぞれが死体とデュエットダンスするのだが、「らくだ」のカンカン能みたいで…。あと、手遊びみたいに手を合わせる振り付けがたびたび出てきたのも気になった。ジュリエットの舞美りらは写真より舞台が断然いい。バレエをやっていたそうで、踊りも端正で好印象。

2016年11月20日日曜日

1120 深川秀夫版「白鳥の湖」

ロームシアターのオープニング事業で、京都ゆかりのダンサーが集まった。全体的にレベルが高く、満足度は高い。よかったのは1、3幕で、肝心の白鳥の踊りは私の好みではなかったけれど。 オデットとオディールを別のダンサーにして、冒頭のオデットが白鳥の姿に変えられるところから魅せるのは分かりやすくていい。オデットと王子の出会いなど、心情の変化が分かりやすく表現されていた。 目を惹かれたのが、1幕のパ・ド・サンクの吉田旭。きりっとした踊りが際立っていた。3幕のスペインの踊りもよかった。 王子の青木崇は1、2幕はパッとしなかったが、3幕では高いジャンプや姿勢の美しさに引き付けられた オディールの矢部希実加は3幕のフェッテが圧巻。トリプルも何回か混ざっていたのでは。 一方、オデットの井澤照予は硬い印象。手足が細くて骨っぽいのと、しなりが少ないせいか。カーテンコールで見せた笑顔は素敵だったのに。 4幕で、オデットと王子が命を捨てるのはいいとして、残された白鳥たちがロットバルトとオディールを倒す展開が理解不能。だったら最初からすれよと思ってしまうのと、2人が死んでからじゃしょうがないでしょうと思う。

1119 Kバレエカンパニー「ラ・バヤデール」

熊川哲也の新演出だが、評価はしがたい。 1場はガムザッティの浅川紫織の印象が強く、恋した男に一直線といった風情。ニキヤの中村祥子との対決はマイムで進行したが、踊りで表現してほしかった。ソロルの遅沢佑介は全く魅力なし。ニキヤが毒蛇に噛まれて瀕死の時にガムザッティの手を取ってしまうあたり、もうニキヤを見捨ててるよね。なのに2幕で後悔してるって変じゃないか? 2幕はニキヤを中心とするダンサーの踊りが幻想的で素敵。中村祥子の踊りも、ピルエットでぐらついたものの、総体としては素晴らしかった。 一番馴染めなかったのが、ブロンズアイドルを神殿が崩壊した最後に出てくるところ。すべてが崩れ落ちたあとの浄化として現れたということだが、神殿はヒンドゥー教なのかバラモン教なのか判然とはしないが、インドの土着宗教なのだとすると、その浄化のためにブッダが出てくるのは別物という感じ。井澤諒の踊りは素晴らしかったけれど。

2016年11月19日土曜日

1118 宝塚宙組「バレンシアの暑い夏」

べたなスペインもの。初演は40年前だそうだから、設定や話の運びが古臭く感じなくもない。 フェルナンドの朝夏まなとが情熱を秘めた男をそれらしく演じ、浅黒い肌の下町の歌手ラモンの真風涼帆も存在感あり。娘役は怜美うららがラモンと同じく浅黒い肌でも褪せない美貌で魅せ、許嫁マルガリータの星風まどかは楚々としたお嬢さんらしさがあった。 ショーは正月公演でもあった「HOT EYES!!!」。実咲凛音がいないので歌はちょっと物足りなかった。

2016年11月18日金曜日

1117 宝塚花組「雪華抄」「金色の砂漠」

「雪華抄」 宝塚では2年ぶりという和物のレビュー。チョンパで銀橋と舞台にきらびやかな和装姿がズラリと並んで圧巻。が、若衆姿が男に見えず、女同士で戯れているよう(まあ、実際そうなのだけど)。 春夏秋冬が足早に移り変わるので飽きさせない。琳派風の背景など、セットも豪華というか派手でキラキラしすぎで眩しい。 安珍清姫をモチーフにした部分では、安珍(明日美)が清姫に恋心を抱いたことに苦悩。清姫(花乃)はぶっかえりで蛇に変化するのだが、なぜか大きなヴェールで隠れての早変わり。せっかくなら歌舞伎のように、見えるところでやったほうがいいのに。 「金色の砂漠」 上田久美子の脚本・演出がよい。生まれついての奴隷という人物が主人に恋したり、野心を抱いたりするかなあというところは疑問だが、そこを除くと人物の感情の流れが分かりやすく、物語に破たんがない。舞台を横切るベールやダンサーで砂漠を表す演出もキレイだった。何より、花乃まりあのタルハーミネは気の強い王女役がはまっている。明日美りおの奴隷ギイは奴隷らしくないのだが、復讐に燃える男という役どころはよかった。王を倒して復讐を果たしても、母は自害し、タルハーミネは砂漠に逃れ、追いかけたギイも砂漠に倒れる。ハッピーエンドでないのは思わせぶりだが、観ているほうとしては爽快感がないかも。

2016年11月13日日曜日

1112 清和文楽「雪おんな」

嶋太夫の熊本地震復興応援公演。口語体なので分かりやすい反面義太夫の調子には馴染まないところもあったが、嶋太夫の語りは健在。美しくも不気味な雪女、純朴な巳之吉、母を慕う娘の心情が豊に表現され、胸を打った。三味線の竹本友清は1回目はちょっと残念なできだったが、2回目の公演では音の響きもよく、なかなかだった。 人形は洗練とは程遠いが、素朴な感じは悪くない。ただ、雪女と人間に化けたお雪の顔があまりにも違うのと、雪女の正体を現した顔が仁王のようなのはいかがなものか。ガブにも通じる般若顔のほうがいいように思った。場面転換は薄暗い暗転のなか、大道具を動かしているのが丸見えで、こういうところも飾らないというか、素朴な感じ?

2016年11月12日土曜日

1111 ミュージカル「バイオハザード」

柚希礼音の退団後初ミュージカル。ソロの歌唱はもちろん、男性とのハモリが新鮮で聞かせた。長い棒を使っての立ち回りは、男役で鍛えただけあって鮮やか。全体的に音楽が良いのと、ダンスが格好良く、エンターテインメントとしては上々。ゾンビが音楽で大人しくなるなら戦わないでずっと歌ってればいいのではという疑問がぬぐえず、最後までモヤモヤ。終盤、リサをかばってゾンビに襲われた男に特効薬を打たないのも??「B型じゃないから」とか、「1人分しかないからダンのために」とか説明がないと。危険なウイルスを持ち出したのが誰なのかが最後まで分からないのは続編に含みを持たせるためか。 セットは無機質で面白みがなかったが、クジラのシーンは美しかった。

2016年11月8日火曜日

1110 庭劇団ぺニノ「地獄谷温泉 無明ノ宿」

鄙びた温泉宿を舞台に東京からやってきた人形芝居の親子と湯治客らの一日の出会いを描く。小人症の人形師をはじめ、盲目の男や太った芸妓、しゃべらない三助など出てくる人がどれも異形で、観ていて常にざわっとした居心地の悪さがある。見たいけど見るのを憚られるようなところ、盲目の男は好奇心を隠さないうえ、異様なほどに怖がる様子が不快感を掻き立てる。露骨にのぞき見する三助がむしろすがすがしく見えるから不思議だ。 宿の帳場、客室、脱衣所、浴室の4面が回り舞台になっていて、箱庭のような作りこまれたセットがすごい。場面転換がスムーズなのも素晴らしい。

1107 笑う門には福来たる~女興行師吉本せい~

藤山直美がたくましい女傑の波乱万丈な人生を活写。船場の御寮さんが、頼りない旦那の夢をかなえようと奔走。家業がダメなだけでなく、好きな興行の世界でも芸人とトラブルを起こしたりと頼りないことこの上ない吉本泰三だが、田村亮は憎めない若旦那という風情。盛りだくさんの内容なので、シーンが細切れで慌ただしく思われるところもあったが、テンポよく楽しめた。何より、暗転前の藤山直美の表情がいいので、次のシーンへの期待が高まる。せいの弟、林庄之助に喜多村緑郎。すらりとした長身でスマートな身のこなしは泥臭い興行の世界にはどうかなというのと、藤山直美と並ぶと兄弟には見えないかも。せいの息子、頴右の西川忠志。浪花の坊といえばこの人という感じだが、この年で学生服を着こなしていたのに驚いた。 夫や桂春団治、頴右などせいの大切な人の死があっさりと字幕で済まされてしまったのがちょっと物足りない。 あと、やたらと登場人物が多いのも煩わしいかも。

2016年11月7日月曜日

1105 永楽館歌舞伎

「信州川中島合戦 輝虎配膳」 思うに、この演目をするには若い座組なのだけど、健闘が光ったという印象。 吉弥の越路は若さが見えるのものの、きっぱりとした佇まいで、武家らしい気丈さに溢れる。 壱太郎のお勝はどもりが不自然だったり、琴を扱いかねて輝虎に当たりそうになったりしていたが、義母を気遣う健気さがあった。 千寿の唐衣は登場から立派な武家の女房。千次郎の直江は若さが頼りなく感じられるところもあったが、無難に。 愛之助の輝虎は重々しさがあった。が、この人って悪人というか敵役だよね?無理難題をふっかけて手打ちにしようとする。最後、命を助けてやるからって、いい人では決してない。自ら好んでやりたい役だろうか? 越路が輝虎から贈られた小袖を「古着だ」と言って突き返すところや、膳を足蹴にされた輝虎が刀に手を掛けんと上衣を次々に脱いでいくところで笑いが。歌舞伎をあまり見たことのないひとも多い永楽館だからなのか、だからってこんなシリアスなシーンで笑われてしまうのは役者の力不足なのか…。あとの口上で、何枚も着ているのは身分の高い人だからと言い訳してたけど。 恒例の口上はいつものように。 愛之助:9年前は夏の開催で暑くてカツラが解け、冷蔵庫に入れていた。11月にしたら今度は寒い。お練りには人口1万人の町に4万人も来た。輝虎は13世仁左衛門や我当も勤めた松島屋にとって大事な役。今回は我当に手取り足とし教えてもらった。 吉弥:7回目の出演で町を歩くと声をかけてくれる。声だけれなく缶コーヒーやウーロン茶も欲しい。コーヒーはブラックで。越路は三婆と言われる難しい役。言われたことを十分にできていないが、千秋楽までによくしたい。 寿治郎:言うべきことは前のこと2人が言ってしまった。 壱太郎:お勝はどもりで難しい役で、まだまだできていない。(恒例のご当地キャラ紹介のあと)豊岡ではふるさと納税も受け付けている。但馬牛など景品が当たる(←と言っていたけど正確には返礼品をもらえる)永楽館のチケットもあるので今年チケットが取りにくかった人はぜひ。 「春重四海波」 松竹新喜劇の演目を取り入れただけあって、バカバカしいくらいの喜劇。 武術指南役に家に婿入りすることになった頼母(愛之助)は娘の波路(壱太郎)とは相思相愛の間柄。祝言の前日、婿入りの条件として波路と剣術の試合をして勝って見せよと言わ たところ、あっさり負けてしまう。諸国を修行し、きっと強くなって帰ってくると旅立つ頼母。 頼母が卜伝流の奥義を極めて帰ってくるのが20年後。さらに、再び試合に負けて再度修行に出、次に帰ってくるのは25年後という気の長さが喜劇らしい。すっかり白髪になった頼母と波路はまるで「じいさんばあさん」のよう。ほのぼのと笑わせたが、新喜劇だったらもっと爆笑だったかもと思われた。あと、時間経過を表す太陽と月のくだりが長く、飽きた。

2016年11月5日土曜日

1104 木下歌舞伎「勧進帳」

国境警備隊のような、黒の上下の番卒たちに囲まれ、椅子の上で体育座りする富樫。タバコをふかして不良少年のような振る舞いには威厳がなく、小物っぽい。番卒たちも「~じゃね?」「ありえねーし」みたいな何とも軽い口調で、関の警備に飽き飽きしている様子。 弁慶が米国人で、日本語は喋れるもののややたどたどしく、アクセントがところどころ違うので、セリフがすんなりとは入ってこない。狙いなのかもしれないが。所作も、日本人ならば自然にできるお辞儀などの動きがどこかぎこちなく、弁慶らしい風格は見られなかった。 義経はすり足などの動きが美しく、気品を感じさせた。この人がいたから芝居が締まった。女優かと思っていたら、トランスジェンダーで女性になったそう。端正な顔に男の声だったのが、義経には合っていた。

2016年11月3日木曜日

1103 ブラック★タイツ「ファウストの檻」

アニメキャラのようなビジュアルにアクションシーンが多く、エンターテインメントとしてのレベルは高い。“イケメン”ぞろいなのも、女性受けしそうだ。 人間関係が複雑で、回想シーンがランダムに挟まれて時間が前後するのがちょっとわかりづらい。 カイン役の加藤慎吾はくっきりした顔だちが舞台映えする。メフィストの野村有志、錬金術師の為房大輔が印象に残った。 男ばかりの芝居ということだったが、カインの恋人であるアベルの姉とのシーンが意外に多く、相手役なしでの芝居で引っ張るのはちょっと無理があったように思う。回想とか、カインとアベルのやり取りとかに盛り込んだほうがよかったのでは。

1102 キンキーブーツ

シンディローパーの音楽がよく、歌唱力のある役者がそろっていて、つい体を動かしてしまう楽しさ。久しぶりに楽しいミュージカルを観た!という気分。 ドラァグクイーンのローラ率いるエンジェルズが美形ぞろいで、ダンスもキレッキレで盛り上がった。 ローラ役のJ・ハリソン・ジーは本人もドラァグクイーンをやっているそうで、ピンヒールでの踊りにも危なげがない。 チャーリーのアダム・カプランがおなかぽっちゃりなのは役作り?あれだけ歌って踊る役者さんとしてはありえない体形だが、役柄には合っていた。

2016年11月2日水曜日

1101 錦秋文楽公演 第2部

「増補忠臣蔵」 前を睦・清友、切を咲・燕三、琴の燕二郎。 睦はつやのある声で掛け合いのときよりもだいぶ良いと感じた。 咲は本調子には届かないような気がするものの、さすがの安定感。琴、尺八も加わって耳に楽しい。 ※14日再見 咲の若狭之助は1~2段目の若々しさというか、後先見ない血気盛んな様子と比べるとやや分別のある感じか。この間に人間的に成長したとも考えられるけど。 玉佳が使う井波伴左衛門、タイガースカラーの黒と黄の縞の着物が派手だ。悪そうな顔の玉佳が目についてしまう。 本蔵の玉也が重厚感のある感じ。 「艶姿女舞衣」 酒屋の段の中を希・清丈、前を文字久・宗助、奥を津駒・寛治。 文字久は世話物はあまり合わないよう。 津駒、寛治は安心感があるが、お園のクドキ、あまりぐっと来なかったのはなぜだろう。 簑助の三勝は短い出番ながら印象に残る。お園が勘十郎。 ※文字久のお園、悪くなかった。 お園のクドキがあまり胸に響かないのは、貞女ぶりに共感できないせいなのか。親の決めた結婚相手だからといって、愛妾のもとに入りびたりで妻を顧みない夫を「自分が至らないから」とかばったり、「来世では一緒に」とか言われて喜ぶって…。この違和感を覆すだけの語りの力がなかったとも言えるかも。 勘十郎のお園はキビキビとよく動き、しおらしさとかいう感じではなかったかも。 「勧進帳」 弁慶・千歳に富樫・咲甫。7枚7丁の床は迫力があるが、ここまでいるかなあ。 咲甫の出だしが良く、千歳の弁慶も重厚感があってよいなあと思ったが、山伏問答がもったりしている。もっとスピード感が欲しいところ。 番卒の咲寿と小住がわあわあとやかましい。 人形は玉男、玉佳、玉路が3人出遣いで弁慶。花道の引っ込みはうーん。足遣いさん大変そうとは思ったけれど、迫力が今一つ。歌舞伎の真似をしなくてもいいと思う。 ※咲甫の畳みかけるような物言いで山伏問答の緊張感は増していたが、千歳の弁慶があまり乗ってこないというか、ゆったりした話し方を保っているのが重しとなっているようで。 和生の富樫がきりっとして、形も決まってよかった。

2016年11月1日火曜日

1101 錦秋文楽公演 第1部

「花上野誉碑」 志度寺の段の中を靖・錦糸、前を咲甫・藤蔵、奥を英・清介。 靖・錦糸は安定感が増してきた。 咲甫・藤蔵、相性はあまりよくない?終始眉間にしわを寄せて演奏する藤蔵。咲甫の語りもぱっとしないような。 英は出だしはよかったが、クライマックスで息切れした感じ。清介の三味線は派手な手で迫力十分。 「恋娘昔八丈」 城木屋の段の前を松香・清馗、奥を呂勢・清治。 期待していなかったせいか、面白かった。呂勢は悪役の喜蔵を楽しそうに演じていて、客席の笑いも呼んでいた。 鈴ヶ森の段は掛け合いで、睦、津国、南都、咲寿、小住、文字栄に喜一郎。 睦が高音でかすれるのは癖なのだろうか。咲寿、小住はうるさい。つられたか。 「日高川入相花王」 三輪の清姫に始の船頭、芳穂、靖、亘・団七、団吾、清丈、錦吾、清允。 日高川に五丁五枚は必要だろうか。