2019年6月30日日曜日

0628 至高の華 京都公演

解説で梅若実が登場。西行桜の思い出など語った後、プロを目指して稽古していると西尾萌を紹介。解説は簡潔で短かった。

「鳴子遣子」
七五三の茶屋、千五郎、宗彦が何某。
蚊の鳴くような声での解説の後だったせいか、千五郎の声がいつもより立派に聞こえた。千五郎家の絶妙な間合いが面白い。

仕舞「弱法師」
片山九郎衛門。杖を手に目を閉じて舞うのは、能面を着けたときよりむしろ難しいのでは。つまずき、倒れる様がリアルだった。

「西行桜」
梅若実玄祥とクレジット。老桜の精と生身の実が一体化した感じで、演技なのか素なのか混然としている。西行(福王茂十郎)とのやり取りはしっかりした語りだったが、造り物から出てくるところで杖にすがるような様子。解説で出てきたときはスタスタ歩いていたようだったが、段差を超えるのが厳しいのか。舞は足元がおぼつかなく、杖をついて一歩一歩足を進める。老木の精らしいといえばらしい様子。
能力は茂山逸平。
上演時間は1時間15分ほど。詞章をカットした様子はなかったが、全体的にテンポが速かった。

2019年6月29日土曜日

0628 夕暮れ社弱男ユニット「京都で恋とフォーク」

70年代フォークを歌う、現代の大学のフォークソング研究会を舞台にした恋模様。二股や片思い、三角関係、四角関係入り混じり、テラスハウスか(見たことないけど)という展開。OBの束縛男が別れ話を切り出した彼女への逆恨みから押しかけてきたりと、畳みかけるようなドタバタの展開。同世代の人にはあるあるなのかもしれないが、恋愛に縁遠い者には共感しにくかった。
外国の要人が来日していて交通規制で動けないなか、反戦歌を歌うというのは、G20サミット開催中の今に掛けているようでもあり、メッセージを感じる。
「風に吹かれて」や「戦争を知らない子供たち」など、往年の名曲は今の人たちにはどう響くのだろう。ギターも歌も下手ではないが上手くもない微妙な感じで、効果が今一つに思った。
途中、殴られて意識を失った男を担いで運ぶ、前作を彷彿とさせる場面も。

6月24日 「三婆」

キムラ緑子演じる元芸者の妾、渡辺えり演じる少女趣味な老嬢、大竹しのぶの強かそうでいて隙のある正妻がそれぞれいい味を出していて、面白かった。亡くなった社長の葬儀をめぐっての正妻と妾のバトルから、芝居に引き込まれた。2幕のラストでそれぞれが歌を披露するのが一つの見せ場。20年後を描いた3幕は蛇足だったかも。

6月22日 文楽若手会

「菅原伝授手習鑑」
椎の木の段は口が碩・清允。溌剌とした語り。10分ほどで終わってしまうのが惜しい。
奥は咲寿・友之助。聞き続けるのがつくづくしんどかった。発生もなってないし、音程も聞き苦しい。本人のツイッターによると、途中経過なのだそうだが、どこへ向かおうとしているのか?三味線もなす術なしといった感じで、気の毒に聞こえた。

小金吾討死は小住・錦吾。錦吾の顔がよくなってた。これまではどこか怯えたような雰囲気があったのだが、一皮むけた感じ。三味線も落ち着いて、太夫との調和が感じられた。小住は期待通り。

すし屋の段は3分割。前は芳穂・清馗。装飾の多い派手な手を弾いていたが、弾ききれてなかったような。
中の靖・寛太郎がこの日一番の出来。浄瑠璃を聞けた。寛太郎も叩きバチを駆使した力のこもった演奏。場面を引き締めた。
後は亘・清公。

人形は簑紫郎のお里が可愛らしい。権太の玉勢はマントや手拭いを外すのに手間取っていたよう。小金吾の玉翔と逆の配役がよいかも。

「道行恋苧環」
付け足しのやうな一幕。希のお三輪、咲寿の橘姫、小住の求馬と碩。三味線は清丈、燕二郎、清允、錦吾。
人形は簑太郎の橘姫に玉誉の求馬、紋臣のお三輪。紋臣だけがちょっと雰囲気が違っていた。回を重ねたらもっとよくなりそう。

6月21日 七月大歌舞伎 夜の部

三谷かぶき「月光露針路日本 風雲児たち」(つきあかりめざすふるさと と読むそうな)
2作目の三谷歌舞伎は面白かったけど、深みが足りないようにも感じた。歌舞伎かというと???ここぞという場面では竹本を使ってたし、猿之助ら歌舞伎の所作を使った演出が随所にあったけど、現代劇と言われても違和感ない。何せ、八嶋が外国人の扮装で踊るように登場しても違和感がないのだから。歌舞伎としては前作の「決闘!高田馬場」のほうがよかったかな。
主役の幸四郎をはじめ、高麗屋三代がそれぞれ美味しい役。染五郎は御曹司として?やたら気を遣われて弄られていた。
10年間の出来事を3時間ほどにまとめるのだから、テンポよく話が進むのは当然として、エカテリーナとの対面、光太夫、新蔵、庄三の別れ、帰国が全て3幕に集中していたのはバランスが悪い。1幕の見せ場ってなんだっけ?ほとんど人物紹介で終わってしまった感じ。2幕は移動に次ぐ移動。それはそれで楽しいのだけど、2幕ラストの犬ぞりのシーンは思ったほどの迫力はなかった(愛一郎が犬の筆頭で悪目立ち)。3幕で登場した竹三郎と寿猿のシニアカップルは全くの付け足しで、無くても筋に影響なし。賑やかし?
面白場面は2幕の終盤で高麗蔵と宗之助、千次郎がロシア語でやり取りするところや、3幕で新蔵(愛之助)の妻になるマリアンナ(新悟)がやたら日本語のことわざを口にすることとか。ロシア語の笑いは、言葉が分からなくても笑わせるのは役者の力だろうが、アグリッピーナ(高麗蔵)の容姿が中の下だとやたら繰り返すのがくどい。
愛之助演じる新蔵がちょっとシニカルな役どころで、重厚な芝居でたっぷり見せる。久々に二枚目の愛之助を見た気分。猿之助は文句ばかり言っている庄蔵をうまく演じ、エカテリーナでは威厳たっぷり。白鷗のポチョムキンとのアイコンタクトの芝居も存分に見せた。幸四郎の光太夫は、皆で日本に帰るという熱意が空回りしているよう。洋装時の髪型を漫画に寄せていたのか、左から上の髪が盛り上がっている不思議な頭だった。

6月21日 歌舞伎鑑賞教室

解説は虎之助。照明が落ちて、何やらノリのいい音楽が流れたと思ったら、客席からは手拍子とヤンヤの歓声。高校生らしき団体客が多く、若い子が好きな音楽なのかと思ったら、ファレルの「フリーダム」という曲らしい。
舞台上では回り舞台がグルグル回り、大小のセリが上がったり下がったり。道具が何もない舞台で舞台機構をしっかり見られたのが興味深い。
虎之助はTシャツ姿の軽装で登場し、いったん袖に下がってからすっぽんから登場。幽霊の音楽で長髪に白着物姿から、引き抜きで紋付袴に。花道脇の客は立ち上がるほど驚いていたのが初々しい。作品紹介をいてうに譲り、自身は客席に降りて着席。「キャー」という歓声で、近くの女生徒からも「イケメン」と好評だった。
通りかかった姫と女中を交えて、女方の身振りを実演・体験させたり、悪者が出てきて立ち回りしたり、作者の平賀源内が出てきたりと、若い感性に訴える工夫が随所に仕掛けられていた。体験した2人の生徒は、舟に乗って花道から退場するというおまけも。

「心霊矢口渡」
壱太郎のお舟の可憐なこと。一目惚れして、連れの女にヤキモキするところなど、可愛らしさ満載。人形振りも面白かった。黒衣の後見が現れて口上ののち、人形振りに。足踏み専門の黒衣が高下駄履いて下手にいて、人形遣い役の黒衣が2人。黒衣の紐が赤いリボンみたいになっていたのが可愛いかった。
鴈治郎の頓平衛は悪人なのだが、どこか憎めない愛嬌がある。
虎之助と吉太郎のカップルは初々しい。ちょっと貫禄がない気もしたが、実年齢はそのくらいかと納得したり。


6月20日 花形新派公演「夜の蝶」

河合雪之丞と篠井英介の女形対決に期待したのだが、少し物足りなかった。銀座ナンバーワン店のマダム、葉子役の雪之丞は貫禄たっぷりでいいのだが、お菊役の篠井が京都の芸妓というのに違和感。京都弁のせいなのか、着物姿が決まらなかったのか。いけずな感じが足りないのかも。
喜多村緑郎る白沢は通産省の政務官だそう。とても格好いいのだが、政治家らしくはないような。
お菊が世話するインターン役の桂侑輔、頼りなさそうなところも含めてはまり役かも。出てきたところで、ズボンのベルトの端がジャケットの外にはみ出していて、それを誰も直さないので気になって気になって。篠井や雪之丞も着物の裾が捲れてて気になる場面があった。
おきくの女中役、河合宥季。洋装のシーンで見せた脚が細くてきれいで驚いた。