2017年2月13日月曜日

0212 烏丸ストロークロック×庭ヶ月「凪の砦」

宗教に救いを見いだせなくなった夫婦が始めたホスピスを舞台に、人の最後を考える。ホスピスで働く人たちも行き場をなくしたような人たち。家族とか地縁とか薄くなっている時代において、こういうコミュニティは一つの解なのだろうと思う。だからこそ、最期、自身で施設が崩壊してしまうというラストが不可解だった。

0210 宝塚宙組「王妃の館」「VIVA!FESTA!」

浅田次郎のおふざけ小説をどうやって宝塚にするのかと思ったが、それらしくまとまっていた。ビジュアルはなんだかなあという感じだけど。ルイ14世のくだりを劇中劇にしないで、亡霊となって現れるルイが現代のキャストと絡ませたのがよかった。ディアナやプティ・ルイのエピソードは回想シーンでコンパクトに。ドタバタコメディのドタバタぶりはそれほどでもなかったけれど、朝夏まなと、実咲凛音らが上手く笑いに持って行っていた。 レビューは祭りをテーマに。冒頭のリオのカーニバルが、前の星組と被っていたのがマイナス点。黒燕尾やムードあるデュエットダンスなど、レビューらしい出し物だった。

2017年2月6日月曜日

0205 世界

赤堀雅秋脚本・演出。千葉の鄙びた町工場を舞台にした人間模様がリアル。風間杜夫演じる、あらゆることに文句を言っている初老の男の存在感が際立つ。熟年離婚を切り出されるのもしょうがないよねという。スナックのママと浮気している息子とか、夫に愛想をつかした妻とか、よく描かれていると思った。広瀬アリスの初舞台だそうだが、一服の清涼剤のよう。彼女が風俗嬢を演じるだけで満足してしまう男性が多そうだ。 回り舞台で、工場一家の台所、スナック、役者志望の男の部屋、スーパーの控室がしつらえられる。上部にかかる歩道橋が効いている。

2017年2月5日日曜日

0204 ミュージカル「キャバレー」

長澤まさみの主演が話題だが、歌声もよく出ていたし、思っていたよりは達者だった。特に、2幕冒頭のソロはよく歌えていてびっくり。ただ、ナチスが台頭する不安な社会情勢を背景にした退廃的な雰囲気には程遠く、別の芝居を見ているよう。思うに、長澤まさみという女優は根っからの陽なのだ。裸電球のような曇りのない明るさというか。あまりにあっけらかんとしていて、それはそれで一つの個性だけれど、この芝居には合っていないと思う。 MCの石丸幹二は、歌えば聞きほれずにいられない声だし、サックスも披露しての活躍だけれど、残念ながらあの衣装は似合わない。 ミス・シュナイダーの秋山菜津子の存在感が圧巻。

0204 ミュージカル「フランケンシュタイン」

音楽も役者もよかったのに、観劇後感はモヤモヤ。何より、1部と2部の世界観が違いすぎて、あまりの突飛さに戸惑った。それぞれのシーンはよくできているのに、そこに至るまでの過程が省略されてしまっているので、ブツ切れの断片を並べられているような印象で、物語に入り込めなかった。 特に、アンリとビクターの友情をもっと深く描いて、怪物の怒りや恨み、復讐に至る過程を描写してくれたらもっと共感できたのに。1幕の終わりでビクターの罪をかぶって死刑に処せられるアンリがいきないり「愛してる」と言ってしまうところとか、唐突で。 タイトルロールはビクター・フランケンシュタイン(柿澤勇人)なのだが、アンリ・デュプレの小西遼生のほうが印象的だった。

2017年2月3日金曜日

0203 劇団太陽族「大阪レ・ミゼラブル」

音楽劇と銘打っただけあって、歌と踊りはだいぶ頑張ったなと思ったが、いかんせん本職ではない役者ばかりなので、決してうまくはなく素人っぽい。あえて下手さを狙っているのかもしれないけど。特に、船場仁(ジャン・バルジャン)を演じた森本研典の歌が辛かった。曲は悪くなさそうなので、歌唱力のある人に歌わせたらもっと心を揺さぶられたのかも。ホルモン屋のメニューを盛り込んだ歌詞など、作りこんでいるというのは分かるが、感動したり、思い切り笑ったりというところには至らなかった。 風刺やパロディとしては物足りない印象だ。冒頭シーンで、都構想が実現した大阪で、万博の建築現場で働かされる犯罪者というのが一番の皮肉で、後は原作をほぼ忠実に再現。一番笑いがあったのが、梢恵(コゼット)と真理生(マリウス)のべたな恋愛のやりとりだったというのは、物語の本質では笑いが効いていなかったという証では。

0202 二月花形歌舞伎 昼の部

壱太郎のご挨拶から。座組といい、浅草歌舞伎のようだ。 「義経千本桜 渡海屋・大物浦」 若々しくフレッシュな碇知盛。松也の銀平は柔らかすぎる印象だったが、知盛の正体を現してからは骨太な感じがでて悪くなかった。 壱太郎も女房お柳はまだ板についていないよう。典侍の局の姿は美しく、今まで見た中で一番似合っているかも。 種之助の相模五郎は弾むようで、いいか悪いかは別として元気で溌剌としている。右近の入江丹蔵は型どおりというか、リアリティが薄い。新悟の義経、歌昇の弁慶とも、丈に合わないような印象。花形だとはいえ…。 「三人形」 梅枝の若衆に種之助の奴、新悟の傾城。新悟は大柄なのがネックだ。ほっそりして立ち姿は美しくても、並んだ立ち役よりも頭一つ大きいのでは。表情が硬いというか冷たい感じなのも気になった。客につれなくあしらうという設定なのかもしれないが。