京都府立文化芸術会館という立派なホールで、靖を筆頭に若手太夫、三味線弾き5組が大奮闘。トータル4時間という長丁場だが、不思議と飽きずにしっかり聞くことができ、健闘を頼もしく感じた。
トップバッターは聖・清志郎の「妙心寺の段」。大阪マラソンのおかげで電車に乗り遅れ、後半しか聞けなかったが、地に足のついた落ち着いた語りぶりに好感が持てる。終盤は声が掠れるなど、まだまだなところは多いのだが、義太夫らしさが感じられる。
「熊谷桜の段」は薫・寛太郎。声のコントロールが不安定ではあるのだが、だいぶ様になってきたように感じた。「入来たる梶原平次景時」は声量もしっかり。
「金殿の段」は碩・清公。ことばが明瞭でとても聞きやすく、物語がすっと頭に入る。竹に雀の見台を選んだとパンフレットにあったので、耳がそこへいってしまった。
「車曳の段」は小住・清方。清方が一人で引くのは初めて聞くかも。ところどころあれ?というところがあり、小住がフォローしてあげているように感じた。太夫としても、普段は掛け合いで語る段なので、一人での語り分けは珍しい。
「寺子屋の段」は靖・清允。気合の入った様子で、のっけから着物の襟にシミをつけるほど。寺子屋は何度も聞いているけれど、特に心に沁みた。清允は実直な演奏というか。この並びでは一番の先輩太夫なので、さすが途中で拍手が起こっていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿