玉三郎の八重垣姫が観たくて御園座へ遠征。口上によると24年ぶりだそう。上演記録を調べたら、十種香だけは時々かかっているけど、奥庭まで続けての上演は2008年に玉三郎が演じて以来。
玉三郎の八重垣姫は終始可憐で、一瞬一瞬が絵になる美しさ。橋之助の勝頼と並んでも全く違和感がない。奥庭の引き抜きは、兜で体を隠すようにして、変化を鮮やかに見せていた。ラストは2匹の白狐と兜に誘われて、花道を駆けていく。以前、国立劇場の通しで見た時蔵は、兜に引っ張られるような演出だったのと比べると、自律的な感じ。狐を使う役者が出遣いなのも違った。
とても素晴らしい舞台だったのに、残念だったのは客席の笑い。「翼が欲しい、羽が欲しい〜」の名台詞で笑うってどんなセンスなの⁉︎ おまけに、ラストで黒衣が操る狐が3匹増えた時も笑っていた。どういう話か分かってないのかな?
橋之助の勝頼は、玉三郎相手に遜色ない立派な貴公子ぶり。濡衣の雪之丞は、声がちょっと世話っぽく聞こえたが、所作が美しい。緑郎の謙信は敵役にしてはシュッとして、格好いい。
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