会場(国立能楽堂)の都合で21時に終わらないといけないとかで、オープニングトークは短め。橋がかりから登場するのが、ストロークが長く、思った以上に時間をとってしまったらしい。
1席目の落語は吉坊「ツメ人情」。右手だけしか動かせないツメ人形たちがかわいい。たこ助(?)の襲名披露公演の幕が開こうか、というところでおさめ、余韻の残るラスト。
続いて芳穂・友之助の素浄瑠璃「赤頭巾孝行剪刀」は真っ赤な衣装に時節柄赤いマスクが追加。床に座っておもむろにマスクを外して一笑いとっていた。
休憩をはさんで合作「梅川忠兵衛」。木ノ下裕一の解説から、素浄瑠璃「新口村」、落語「後の梅川」。
木ノ下の解説は基本的に前回と同じだが、備忘録に記しておくと、近松の「冥途の飛脚」と菅専助の「けいせい恋飛脚」の違いは八右衛門のキャラクターと新口村の天候。歌舞伎の「恋飛脚大和往来」になると、役者によって型が変わり、封印「切れ」の成駒屋、封印「切り」の松島屋、折衷型の實川延若型(図らずも封印が切れた後は、火箸を使って切ってしまう)。
芳穂・友之助の「新口村」は再演のためか、安定感が増したよう。能楽堂の音響のよさもプラスだったか。
「後の梅川」は大正時代に歌舞伎で作られたものを落語化したそうだが、それにしては八右衛門がいい人では?20時59分に終演とはお見事!
コロナ禍で客席を間引いていたせいもあるが、正面席も後ろの方は空いていて、ワキ少雨面はまばら、中正面はすべてつぶして…と、広い国立能楽堂の客席が寂しかったのがもったいない。
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