2020年12月14日月曜日

12月13日 當る丑歳 吉例顔見世興行 第二部

「寿二人猩々」
隼人と千之助、若い2人の瑞々しい踊り。赤髪の千之助は博多人形のような愛らしさがある。踊りは腰高のためか、洋舞の創作舞踊ののように見えた。隼人は日舞らしさはまだあるが、手の広げかたが小さくて、並んだ千之助より見劣りするところがあった。
酒売りに亀鶴。

「熊谷陣屋」
11月公演中にコロナ感染した孝太郎、濃厚接触者として仁左衛門が初日から休演。体調不良で初日から秀太郎、3日目?から竹三郎も休演と、波乱続きだったが、7日から仁左衛門、10日から孝太郎が復帰し、残るは秀太郎だけ。
 
仁左衛門の熊谷の立派なこと!無骨な武士の風情でありながら、内に秘めた苦悩や哀しみが滲む。花道で振り返り、小太郎の首と別れを惜しむ場面。相模越しの視線の先に、千之助の姿。毎日祖父の芸を見たことが、今後に繋がってくれるといい。
孝太郎の相模はちょっと情が薄いか。陣山で出向いた言い訳が表面的に聞こえた。小太郎の首と対面してからはよかった。
藤の方は秀太郎の代役で門之助。本役だったら何の不足もないのだが、秀太郎だったら…と思わずにいられない。(熊谷に斬りかかるところなど、結構動きがあるので秀太郎大丈夫かと思いもしたが )それにしても、はじめは相模、次いで藤の方と立て続けに代役を勤められる門之助の凄さ。
松嶋屋総出演で、堤軍次の進之介が期待を裏切らないマイペース。梶原平次の松之助もよかった。
冒頭の高札に人が群がるところで庄屋幸兵衛の竹三郎。元気そうな姿に一安心。

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