2020年10月19日月曜日

10月18日 清流劇場「逃げるヘレネ」

まず、衣装やが洒落ていて、スタイリッシュ。コロスはブルーのゆったりしたワンピースに四角くベールのついた帽子、ヘレネは白の、スカートがたっぷり膨らんだドレス、紙衣のようなメネラオスの衣装…。エジプト王が英国調のドレスだったのはなぜだろう?
コロスのフォーメーションや、ヘレネとメネラオスのイチャイチャするダンスなど、振り付けも気が利いていた。

ヘレネの永津真奈はたたずまいが美しい。千秋楽の疲れからか声がややハスキーだったが、膨大なセリフをよくこなした。預言者テオノエの木全晶子は威厳があり、声もよく通る。メネラオスの高口真吾もセリフが良かった。全体的に、役者のセリフが明瞭で聞きやすかった。
最後、船で逃亡した様子を告げる使者(勝俣諒平)の長台詞は少し荷が重かったか。

換気休憩を2回挟み、俳優はマウスガード、最前列の客もフェイスシールドという厳重な感染症対策。俳優ならマウスガードは、声がくぐもったり、息で曇ったり、飛沫が付着したりと、鑑賞の妨げになるのは否めない。
門番の老女(服部桃子)がメネラオスとやり取りするところで、ビニールのシートを間に挟んだり、触れた手を消毒したり、ヘレネとメネラオスが会話するところで筒を糸電話のように使ったり、吹き戻しでマウスガードごしにキスしたり、と、ソーシャルディスタンスを逆手に取った今ならではの演出も。

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