2019年2月19日火曜日

0214 罪と罰

休憩を挟んで3時間40分という時間が増長でなく濃密。
階段状の装置に家具やガラクタが積み上げられた舞台は、当時のロシアな混沌を表すよう。キャストは役でない時もアンサンブルのように舞台にいて、背景や心情を表現する。チェロやアコーディオンの演奏家が役者に交じって舞台上を動き、時にアンサンブルの一部になるのもおもしろい。
ラスコーリニコフの三浦春馬は体を絞って役作りをした甲斐あって、落ち窪んだ目が印象的。メイクの効果もあるのかも。熱に浮かされたような不気味な様子で、急に意識を失って倒れこんだり、床を転げ回ったりと身体表現も駆使しての熱演。自分は特別な存在で罪を犯しても許されるという思考は「スリルミー」にも共通する。
ソーニャの大島優子はよく通る声がいい。賢くはないのだけど、結果として生母のように救いをもたらすソーニャによく合っていた。
ソーニャの義母役の麻実れいは原作にはあったか覚えてないが、間狂言のようなかんじ?
貧しさが滑稽になってします悲しみといおうか。
舞台上のガラクタは物語が進むにつれて片付けられ、ラスコーリニコフが刑に服してシベリア送りにされたところではほとんど何もなくなる。背景の壁がひらいて光が差し込む。許しや希望を匂わせるラスト。

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