少年期の手塚治虫を3作の漫画を原作に描いた。手塚=大寒少年役の三坂賢二郎が身体は強くないけど、賢くて、漫画で人を楽しませようという信念のある人物を造形。
前半で大寒が追いかける幻の蝶ゼフィルスと後半、学徒動員先で思いを寄せる宝塚音楽学校の生徒、京子を今井佐知子が演じるのだが、せっかく同じ役者なのだから、京子に会ったときに「蝶に似てる」とかなんとか一言あってもよかったのでは?今井は蝶の時、膝が伸びていないのが気になったが、京子からラストの男役の凛々しさまで、振り幅のある役をよく演じきった。合唱部分のはじめにソロで歌うのも、清々しくて好印象。
いい年のおっさんたちが、中学生を演じる無理は多少感じたが、バンカラ=明石役の孫高宏は無骨で根は優しい少年を好演。
神社に隠れる脱走兵の恋人幸子役の野秋裕香。学ランを着て少年のふりをしているのが自然だったが、ラストの蝶を追いかける少年役を見て、あそこは男の子の役を演じているように見えるより、女がふりをしている不自然さがあったほうがよかったのかもと思った。
ピッコロと演出家岩崎正裕のコラボらしく、ところどころ入るコーラスに岩崎らしさが見える。
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