「伝統はたえた」
ごまのはえ作。初めてタイトルを見たとき、伝統「はたえた」かと思った。老い衰えた師匠が、秘伝の技を教えようとするのだが、ボケが入っていて話が進まない…という、繰り返しのおかしさ。弟子に千五郎、師は童司。10分ほどの短い話で、ショートコントのようだった。絵の具のくだりはなんだったのだろう。
トークは千三郎と童司で、新作の創作について。新作は初演キャストに引きずられがちなので、役者が変わっても成立するかが上演され続けるかの分かれ目と。
「鮒ずしの憂うつ」
土田英生作。臭いと敬遠される近江名物鮒ずしが、丁稚羊羹や近江牛に馬鹿にされる。鮒ずしの宗彦は拗ねた様子が板についている。丁稚羊羹の逸平は人を食ったようすがかわいい。近江牛は病気のあきらに代わって童司。急な代役だからか、セリフが怪しかった。
鮒ずしを励ますため呼び出される、挽き割り納豆(茂)とくさやの干物(丸石)。世界の名物にも臭いものはたくさんあり、臭いこそがアイデンティティと確認するところなど、ヒューマンドラマのよう。土田らしい、人への肯定感が感じられた。
「流れ星X」
千三郎作。温暖化で人が住めなくなった地球から、新天地を求めて流れ着いた地球人(鈴木実)が、ボイボイ星人の太郎(千三郎)と出会う。初演が米ブッシュ政権時代とのことで、薮大名だとかなんとかが出てきたり、テレビゲームが出てきたり(ナンテン堂スイッチとか言っていたが、初演は何だったのだろう)と、時代を感じさせるところもあったが、一周回って今の時代にマッチしてるよう。
全てのセリフを「ボイボイ」と喋るボイボイ星人は、猿聟みたいだし、セリフ運びなどは一番狂言らしかった。
2018年5月2日水曜日
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