2017年2月20日月曜日

2月18日 国立劇場開場50周年記念 文楽公演 第三部

「冥土の飛脚」 淡路町の段 口を休演の松香に代わって咲甫・清友。 端場だからかもしれないが、ちょっと早口すぎて何言ってるか分かりにくいところも。 奥は呂勢・清治。 忠兵衛のダメ男ぶりがこれでもかと。中之島の武家に金を届けるはずが、知らず梅川のいる方へ歩いてきてしまった忠兵衛が、行こうか行くまいかと逡巡するところ、絶妙な間で笑わせた。八右衛門の野太い声と忠兵衛の柔らかい話ぶりと、語り分けがはっきりしていてききやすい。 封印切の段 千歳・富助。 切場語りの風格がただよってきたよう。忠兵衛があまりにダメ男すぎて、全く同情できないのだが。梅川も最初に商売の金ではないかと疑っているので、喜び転じて悲劇~の落差が薄くなってしまう。忠兵衛はやはりダメ男なのだが、歌舞伎のほうが可愛げがあるし、梅川のイノセンスなところも哀れを誘い、気持ちの盛り上がりがあるように思う。文楽はあほがあほやって勝手に自滅してる身勝手な話にしか感じられなかった。 廓の女郎たちが忠兵衛を「たださん」とよぶのばなんでだろ。歌舞伎は「ちゅうさん」だよね。 道行相合かご 文字久、睦、希、小住、文字栄に団七、団吾、清丈、龍爾、錦吾。 殺風景な野道を行く2人。雪景色の中の逃避行よりリアルなのかもしれないが、寂しい限り。 人形は玉男の忠兵衛に清十郎の梅川。清十郎の出しゃばらない遣いぶりが好印象だった。

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