2017年1月7日土曜日
0107 初春文楽公演 第1部
「寿式三番叟」
正面の舞台後方に9人の三味線と太夫が並ぶのは圧巻だが、客席に届く音が弱く感じた。音が天井に抜けてしまうのだろうか。
シンが清治だったせいか、三味線はテンポよく聞かせた。翁を呂勢、千歳を始、三番叟を睦と芳穂と、嶋太夫門下で固めていたのが感慨深い。
人形は和生の翁が格調高く。一輔、玉佳の三番叟は三枚目のほうを一輔、二枚目のほうを玉佳と本人のニンとは逆で、それも面白かった。
「欧州安達原 環の宮明御殿の段」
中を靖・錦糸。ますます安定感が増してきたよう。頼もしい語りだ。
次は咲甫・藤蔵。うなる三味線に語りもよく応えている。
前を英・清介。袖萩祭文など見せ場の多い場で、娘お君の健気さなど聞かせたが、やはり声が小さいのがつらい。
後は文字久・団七。時代がかった武士が活躍する場面ははまる。力強く頼もしい語り。
「本朝廿四孝」
十種香の段
津駒と休演の寛治に代わって清志郎。大役の重圧かやや硬かったように感じた。慎重な撥運びというか。
人形は八重垣姫を初役で勘十郎。人形からにじみ出るような感情はやはりまだ簑助には及ばないか。出の後ろ姿の印象が薄いし、恋に突っ走るところもかわいらしくはあるのだが、姫の気品に欠けるのか町娘のような気安さ。簑助が遣った腰元濡衣はしっとりとした色気。勝頼の和生は感情を抑えた様子がよい。
奥庭狐火の段
呂勢・宗助。八重垣姫のほとばしる思いを切々と。期待通りだが、それ以上を期待したくなる。宗助の三味線は的確。螺鈿の見台が豪華絢爛。
勘十郎もこちらは慣れたもの。最後は3人出遣いで左は一輔、足は勘次郎。狐の人形も和馬、玉延、玉路、玉彦が出遣いで。
15日に再見。三番叟の三味線は攻める度合いが増していたよう。清公病気休演で寛太郎が加わる。
9人がそろって語るところでも呂勢の声が一つ前に出ているように感じた。
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