2016年7月9日土曜日

0708 Nonism劇的舞踊vol.3「ラ・バヤデール―幻の国」

モノトーンの舞台にシルバーの柱が数本並び、これを動かして場面が変わる。 衣装が素晴らしく、踊り子カリオン族のブルー系のひらひらしたドレス、馬賊の赤系のフリンジのついた衣装が動きと合わさるととても効果的。衣装で民族の違いを表現していたのも、分かりやすかった。 セリフを語る役者が3人入ることで、物語は分かりやすくなる。ムラカミ(貴島豪)が狂言回しのように物語の背景を説明する。マランシュ族の皇女フイシェン役のたきいみきは王族の重々しさだが、やや重厚すぎに感じた。ダンサーに対抗するためか、役者は全体的に重々しい芝居だった。 2幕、アヘンにおぼれるバートル(中川賢)の幻想で踊り子たちが現れるシーンが印象的。グレーの薄いベールを重ねたような衣装が幻想的だ。最後、ミラン(井関佐和子)は衣装だけをバートルの手の中に残し、裸のような姿で舞台後方に去る。残された衣装は数枚の布切れになってしまうはかなさ。

0705 だいこん役者

藤山直美と大杉連の初共演。 直美が出てくると舞台が締まる。大杉連は舞台経験は少ないようだが“大根”役者を好演。2人並んだ様子がいい夫婦だ。 台本のせいか、前半はテンポよく進むのだが後半がダレた感じ。料理やの娘(前田亜季)が実の娘だと分かったところで一つの山が終わってしまい、立ち退き云々のくだりがつけたしのようになってしまった。

0704 七月大歌舞伎 夜の部

「鬼一法眼三略巻」 奴虎蔵実は牛若丸に梅玉。うーん。この年で前髪役をするのはすごいが、奴知恵内の橋之助に「若輩者ゆえ…」と言われると違和感がぬぐえない。 「口上」 藤十郎が書状を読み上げる形。秀太郎のほのぼのとうれし気な口上がよかった。 「鳥辺山心中」 仁左衛門の半九郎が格好いい。雀右衛門のお染はしっとりとかわいらしい。 遊女お花の秀太郎と中居お雪の竹三郎が花を添える。 「芋堀長者」 踊り上手の橋之助。ユーモラスな舞踊劇で観劇の最後を締めくくるにはいい。

0704 七月大歌舞伎 昼の部

五代目中村雀右衛門の襲名披露。 「小さん金五郎」 松竹新喜劇のようなゆるゆるのお話。鴈治郎の金五郎の風情がはまってる。 吉弥演じる女髪結お鶴は金五郎に一方的に思いを寄せて空回りするイタイ人なのだが…。 芸妓お糸の児太郎がきれいになってた。 「夕霧名残の正月」 襲名公演の雀右衛門の夕霧が美しい。藤十郎の伊左衛門は立っているだけで風情がある。 「与話情浮名横櫛」 仁左衛門の与三郎に雀右衛門のお富。シュッとした仁左衛門と並ぶと不利だよなあ。

2016年7月4日月曜日

7月3日 坂東玉三郎京丹後特別舞踊公演

京丹後での初公演。和久傳がかかわっているだけあって、最寄り駅からタクシーの無料送迎など至れり尽くせり。会場で販売していたお菓子や軽食もおいしそう。 演目は「傾城」と「藤娘」。会場が小ぶりなので、手先、足先の細かい動きまで見えて、芸の繊細さを感じた。藤娘の初々しさ。これまで見た年若のどの役者よりももっと若々しいのが脅威だ。

7月2日 正邦・茂兄弟会「傅之会」

「しびり」 連の太郎冠者に慶和の主人。セリフは一本調子で聞き取りにくいが、小さい子が一生懸命やっているのでかわいらしく、微笑ましい。 「萩大名」 正邦の大名に、逸平の太郎冠者、宗彦の亭主。 正邦は自身が言っていたように大らかな大名が嵌る。宗彦がさもうんざりしたような顔つきでとりわけ笑いを誘っていた。 「文山立」 山立甲、乙を茂、童司。 わあわあとやかましい、ばかばかしい芝居。ほぼコントだ。 「附子」 竜正、虎真の太郎冠者、二郎冠者に鳳仁の主人。 このくらいの年になると、やってるだけでかわいいとは思ってもらえず、さりとて大人のような芸はできないわけで、なかなか難しそうだ。 「止動方角」 正邦の太郎冠者、茂の主人、千五郎の伯父、島田の馬。 正邦、茂は力が入りすぎているような感じで、千五郎が出てくるとホッとする。 狂言の馬って初めてみた。

0701 宝塚雪組公演「ドン・ジュアン」

宝塚とフレンチミュージカルは相性がいいようだ。本作で4作目。宝塚の魅力を感じられたように思った。 何より、主役ドン・ジュアンの望海風斗がハマり役。ニヒルで非道な色男を衒いなく演じきった。これぞザ・宝塚という、ホンモノの男がやるとどこか生々しくなってしまいそうなところだ。歌が上手いのもこの役には重要で、ほぼ全編歌いっぱなし。白い衣装で幸せいっぱいな場面が似合わないように感じたのは、マリアと恋に落ちるところがやや唐突だったからか。もう少し丁寧に描いてほしかった。 マリア役の彩みちるは前半は歌に難ありだったが、後半もちなおした。歌だけ見れば、妻エルヴィラ役の有沙瞳の方が良かった。 は歌が上手いというイメージはなかったのだが、イザベル役に専科の美穂圭子を迎えるなど上手い人を集めたおかげか、全体を通して聞き応え十分。衣装も素敵で、ダンスシーンに映えた。