時蔵の尾上、⑧菊五郎のお初と、年齢差逆転の主従ながら、全く不自然さを感じなかった。時蔵の尾上は品格、落ち着きがあり、主人としての威厳を感じさせる。菊五郎はちょこまかとした動きで若々しさを醸す。
お初が使いから戻った時に尾上はまだ息があり、最期の言葉を残す歌右衛門の型。尾上がこと切れて倒れ伏す体の動き、派手さはないのに美しかった。好配役だが逆の配役でもぜひ観てみたい。
弥十郎の岩藤が大柄な体も効いて、敵役らしい憎々しさ。草履打ちの場では足がガニ股になっていたのが惜しい。
岩藤の女中頭の橘太郎が「働いて×5参ります」と、初春公演恒例の時事ネタも。
玉太郎の大姫はおっとりとしているが、女方としてはまだ硬さも。
終幕は⑦菊五郎の頼朝、魁春の政子らに加え、時蔵や弥十郎も別役で列座する花見の一幕をつけて、正月らしく華やか。弥十郎が「鎌倉殿」で演じた時政として遅れて登場すると客席も沸いた。手拭い撒きでは、彦三郎の強肩が沸かせた。菊五郎は刀を杖にしながらも、山台から降りて舞台前方まで歩いており、元気そうで安堵した。
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