2024年1月25日木曜日

1月14日 新春浅草歌舞伎 昼の部

挨拶は橋之助。
次の演目で初っ端から出番なのでと携帯電話オフの注意と能登地震の義援金のお願いのみという、最小限のことだけ。だったら別の人にすれば良いのに。

「十種香」
橋之助の勝頼は2度目とあって落ち着いた様子。慎吾の濡衣が若さに似合わず、世知長けた感じが上手い。
米吉期待の八重垣姫は、容姿は可憐な赤姫で申し分ないが、所作はまだまだか。点を結んだようなぎこちなさが残り、義太夫に乗り切れていない感じ。セリフも気持ちと噛み合っていないようで、八重垣姫って難しいのだなとつくづく思う。ニンにはあっていると思うので、2回目、3回目を観たい。

歌昇の長尾謙信は、小柄な身体を補う押し出しの良さで、戦国武将の強かさを描出。種之助の白須賀六郎は良く似合う。

「世話情浮名横櫛」
隼人、米吉の切られ与三。
隼人の与三郎は坊ちゃんらしさがある一方、やさぐれ感は薄い。しっくりこないとは思ってしまうのは、昨年観た仁左衛門・玉三郎の切られ与三の印象が強いせいもある。隼人のニンには合っているので、こういう与三郎もあり?かと思う。セリフは所々、仁左衛門を彷彿とさせた。
米吉のお富は、八重垣姫よりハマった。吉原狐のときも思ったが、婀娜っぽい、粋な江戸の女が上手い。 
松也の蝙蝠安はなんかちょっと違う感じ。ならずものの凄みが足りないのか。
歌六の多左衛門が舞台を引き締める。

「どんつく」
巳之助がすっかり踊りの名手になっていて、感慨深い。莟玉も含め、出演者総出で華やかに。
歌昇が太神楽の玉入れを見事に披露。

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