2021年10月30日土曜日

10月30日 新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」

 小野絢子・奥村康祐ペアは一番の期待を上回る大満足の舞台。今まで見た中では、ダントツの1位をささげたい。

奥村の王子は、1幕はナイーブ、2幕でオデットと出会い惹かれていく様を丁寧に描く。白鳥の王子にキュンとしたのは初めてだ。3幕は、オディールの登場での喜びから、裏切られたと知り絶望に落とされる落差が切ない。テクニック的には、3幕のソロの音楽が他の日よりテンポが速かったり、リフトの安定感がちょっと足りないように見えるところもあったけれど、役を演じるという点ではずば抜けていたと思う。愛おしい王子だ。

小野のオデットは優美。白鳥たちを束ねる王女たる気品を感じさせる。ポスターのビジュアルで、オディールはどうかと懸念していたが、何のその。自信にあふれ、誘惑する様が魅惑的。オデットのマネをしてしおらしくする一方、挑発するような視線を投げるなど、メリハリの利いた演技が良かった。フェッテはシングルで始めてダブルを数回挟む程度で、基本シングルだし、技術的には米沢に譲るが、役を演じるという意味ではとてもよかった。

ポーランド王女の池田理沙子が転倒するハプニング。

0 件のコメント: