2021年5月30日日曜日

5月29日 「スリル・ミー」配信

 全ペアオンライン配信してくれるというので、見比べる楽しみが。以前だったら、松岡広大・山崎大輝ペアはパスしていたと思うのだが、最近若い役者に嵌ることがあったので試してみたら…やっぱりあかんかった。

事前に見た評によると、松岡・山崎ペアは「若さゆえの暴走」なのだとか。実年齢に近い分、リアリティがあるのかもしれないが、若いとは経験値がないということで、芝居の深みに欠ける。松岡の歌唱が安定しないのもマイナス。54歳の芝居は、不自然にゆっくり喋る様がおじいちゃん?のよう。あまりスリルを感じられず、物足りなく感じた。

一方の成河・福士誠治ペアは見て唸った。福士はともかく、成河って正直苦手な役者なのでどうかと思っていたのだが、何より歌唱が安定しているのが頼もしいし、演技がしっかりしている。19歳と53歳の切り替えも見事だし、若いころの「彼」に依存している不安定さに狂気がにじむ。福士の「彼」は冷酷でぞくぞくする色気。歌唱は高音部が少し不安定なものの、低い声に魅力があり、成河とのハーモニーもバランスがいい。ミュージカルだし、歌がちゃんとしているというのは必須条件。歌の多い作品なので特に。

ピアノは荒々しい篠塚祐伴(松岡・山崎)に対し、落合崇史(成河・福士)はシャープな印象。続けて聞いたせいか、ピアノの違いもくっきりして、興味深かった。


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