「半蔀」
シテは宝生流大坪喜美雄、ワキ殿田謙吉、アイ大蔵弥太郎。
立花の小書きにより、前場で後見によって生け花が運ばれる。池坊流だそうだが、松などの生木や流木のような枯れた枝、色とりどりの生花を寄せた不思議な造形。頂上のあたりに夕顔らしい小花。舟のような台かと思いきや、案外花瓶が小さく、運ぶときにグラグラしていた。
後場の夕顔の作り物は舞台上下手よりに。以前観たものは橋掛かりだったので、流儀によって違うのか。
そういえば、地謡のマスクがなくなっていたような。
「蚊相撲」
大蔵吉次郎の大名、基誠の太郎冠者、善竹大二郎の蚊の精。
大蔵流らしいおおらかさで、チャーミングな大名、しっかり者の太郎冠者。そこここで笑いがおきた。一部笑いすぎの人もいて鼻白んだけど。勝負に負けた蚊の精は、断末魔の一声からよろよろと退場。
「鷺」
野村四郎改め幻雪のシテ。扇を持つ手が終始震えていたのが気にかかる。アイの大倉弥右衛門は冒頭、声がかすれ気味だし、笛の一噌庸二ははじめ音が出ないしで、高齢の演者たちにハラハラする一幕だった。
ツレの観世銕之丞の声の立派さ。ワキは福王和幸。橋掛かりで結構なアクションがあったのに、柱の陰で見えなず残念しきり。
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