菊龍「三井の大黒」
16時からの夜の部のみ、と思って行ったら押していて、昼の部のトリから聞けた。ひょうひょうとした芸風で年の功を感じさせる洒脱さがある。
菊太楼「紙入れ」
サバサバとした感じのおかみさん。新吉のうろたえぶりが笑いを誘うが、紙入れを忘れたことに気づいたときに「おかみさんが隠しておいてくれないか」と言ってしまっては先がつまらないのでは。
北見寿代 踊りと玉すだれ
なんだかぎこちない玉すだれ。素人のように、つっかえつっかえ。踊りのほうはなんぼかましだった。
菊丸「天狗裁き」
江戸の落語家らしい、からっとしたしゃべり。
文菊「そば清」
ひたすらそばを食べ続ける面白さ。先輩たちに囲まれているせいか、おとなしめだったような。
駒子「幸せの黄色い干し芋」
出身地群馬を舞台にした新作らしいが、あまり好みではなかった。
バラクーダ岡本圭司
「日本全国酒飲み音頭」と「血液ガッタガタ」で強引に引っ張った。
志ん弥「三枚起請」
ベテランらしい安定感で、マクラで高杉晋作の都都逸に触れ、オチで納めるまで隙がなく鮮やか。
終演後、緞帳を下げずに楽屋にいる弟弟子らを集めて三本締め。私服の噺家が観られてちょっと得した気分。