「賀茂」
金剛流とは表記が違い、中身もところどころ異なるのが興味深い。
里女が持つ桶が金塗りで青で波のような模様(金剛流はシンプルな木の桶)だったり、アイの道祖神の面が笑ったような顔だったり、天女が舞ったあとワキの隣に並ぶのだが、ワキ柱の近くを開けて天女が一番前になった金剛に対し、観世はそのまま一番後ろに着く、など。
シテの梅田嘉宏が里女と別雷神、前シテツレの橋本忠樹が里女、後シテツレの鷲尾世志子が天女。女性の声が珍しかったのと、小柄なので童のようだった。
「文荷」
七五三の太郎冠者に宗彦の次郎冠者、網谷正美の主人。七五三は声の調子が悪いようで、かすれ気味。宗彦が補っていた感。
「夕顔」
シテの河村和重は足元が覚束ず、作り物から出てくるところでもたついたり、座り姿勢から立ち上がるところで後見が手を貸したりとハラハラ。声のハリもなかったようで残念。
「藤戸」
シテの橋本雅夫も足元が怪しかったが、前シテが老女なので逆にはまって見えた。「人目も知らず伏し転び」と倒れこむところは胸をつかれた。動きがスローなせいか、予定時間がずれ込み、最後を見逃したのが残念。
アイは千三郎に代わって逸平。
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