2017年9月5日火曜日

0904 プレイヤー

イキウメの前川知大の脚本を長塚圭史が演出。藤原竜也や仲村トオルら役者陣も存在感のある人がそろい、2時間50分が長くは感じなかった。 地方都市の劇場で、オーディションで集まった役者が芝居の稽古をしている。劇中劇と劇が入り乱れ、演出家が芝居に入り込んでしまうなど、現実と芝居の境目が分からなくなる。劇中劇は死者の言葉を生きた人を通して再生するという、新興宗教のような団体を描く。脚本を役者を通じて現実空間に再現するという芝居とどこかオーバーラップする。劇中劇で瞑想の指導者・時枝役を演じる仲村トオルが凄みのある演技。藤枝の導きで死んだ女性の知人で事件を追う刑事・桜井(藤原)が次第に取り込まれている様が不気味だ。さらに、桜井の同僚で最後まで瞑想に懐疑的だった刑事までも操り、殺人を犯させてしまう恐ろしさ。カルト教団ってこういうものなのかも。演出家役の真飛聖は場を導く指導者のようで、クライマックスでは芝居に口をはさんで芝居を方向付ける。瞑想集団は環境保護団体でもあって、世界を変えるために精神を残して集団自殺するのだが、どうやった環境が改善されるのかがよく分からなかった。まあ、その辺はどうでもいいのかもしれないが。

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