2016年1月5日火曜日

0103 壽初春大歌舞伎 夜の部

「桂川連理柵」 藤十郎の長右衛門はじっと辛抱している風情がさすが。辛抱立役とはこれぞ。 壱太郎は2回目の長吉とお半。長吉を楽しそうに演じているのと、お半の可憐さが似合う。 扇雀の女房お絹はちょっと立派すぎて、いまいちかわいそうに見えない。 愛之助の儀兵衛と竹三郎の義母おとせの親子が長右衛門をいびり倒すのが憎らしくていい。 「研辰の討たれ」 愛之助の辰次は愛嬌が足りないか。町人あがりの卑俗な感じはよく出ているのだが、共感できないのは主人公として何かが足りないのではないか。 客席を右へ左へ逃げ回り、サービス精神を発揮。 「芝浜」 一言でいえば、落語のほうが面白い。会話のテンポがいまひとつ。中車の政五郎は江戸弁のちゃきちゃきした感じだがちょっとテンポが遅いのと、扇雀の女房おたつがあっさりしていて薄情に見えるせいか。直近に談春のこってりした話しを聞いたせいか、物足りなく感じた。

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