2016年1月5日火曜日

0104 初春文楽公演 第1部

「新版 歌祭文」 睦大夫が長い段を語り切った。びっくり。 呂勢大夫のおみつが切ない。 「関取千両幟」 嶋大夫の引退興行で、冒頭、床に嶋大夫と寛治か並び、呂勢大夫が口上。一心に芸道に努めてきたこと、引退披露は功なし名をあげてのことで目出度いが、門弟としては大樹を失った小鳥のようとの言葉に涙が出そう。嶋大夫の目にも涙ががにじみ、手ぬぐいで抑えていた。 本編は、一言一言を大切に語る様子。声は力強く、まだまだ聴かせられるという気迫を感じる。猪名川の英大夫との掛け合いも良かったが、願わくば一人で一段語ってほしかった。 途中、三味線の曲弾きで寛太郎。面白いし、見応えあるけど、この演目に必要か疑問。身売りを決意したことを隠して猪名川を送り出したおとわ。その後の相撲場までの場面転換の繋ぎは必要だろうが、物語の余韻をぶった切るようで。 最後、床に嶋大夫だけが残り、長く頭を下げていたのが胸を打った。 「釣女」 お正月らしく賑々しく。 醜女は咲甫大夫。こういうコミカルな役柄がうまい。

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