2020年6月26日金曜日

6月26日 浪曲映画祭

浪曲の口演と浪曲にちなんだ映画の企画を渋谷のユーロスペースで。

奈々福の浪曲「赤穂義士電―俵星玄蕃」。朗々とした声で聴かせるが、あまり話に入り込めなったのはニンでなかったからだろうか。

映画「忠臣蔵 暁の陣太鼓」は中山安兵衛(後の堀部安兵衛)の森美樹の格好良さ!安兵衛に思いを寄せる三日月お勝の瑳峨三智子の粋なこと!花魁の取り合いで喧嘩をして安兵衛に仲裁されそうになる若旦那にトニー谷が出ていたり、大石主税が林与一だったりと、配役も凄かった。

6月24日 文菊の部屋 第四夜

落語はあまり高座にはかけないが、大切にしている噺という「心眼」。
盲人の按摩、梅喜が茅場町の薬師如来に願掛けし、目が見えるようになる。馴染みの旦那に女房のお竹が人三化け七よりもひどい醜女だと聞き、江戸一という芸者の小春と一緒になろうとするが……。文菊の演技は素晴らしいのだが、目が見えるようになったからと、コロリと態度を変える梅喜の豹変ぶりがひどい。苦しいときに助けてくれた女房の顔も見ず、他人の噂だけで捨てるか?と。自分が男前と知ってうぬぼれるのもたいがいだ。お竹はこんな男とは別れるのがいいと思う。

よもやま話では、師弟について。最近、弟子を2人とって見習い期間中だとか。住み込みは無理までも、通いにはしたいとのことで、夫人の了承をえたそうな。どんな弟子が育つのか楽しみ。師匠の圓菊には、コテンパンに自我を否定されたそう。今の時代には全く馴染まないが、一門にいい落語家がいることを考えるとそうした修行を経ないと芸は育たないのだろうか?

2020年6月25日木曜日

6月18日 浅草演芸ホール 夜の部

19時の中入り後から。

柳勢「出来心」。間抜けな泥棒の話。なぜかあまり印象に残らない。

小ゑん「鉄の男 中」図らずも、続きが聴けたらしい。

小菊

文菊「千早ふる」「ちはやぶる」でなく「ちはやふる」というのは、知ったかぶりだからなのだろうか。

わさび「死神」 不気味さが薄く、そこらへんにいるおっちゃんのような軽い死神。「ふぅっ」と息を吹きかけてこと切れる唐突さがシュールなギャグマンガのようだった。

2020年6月15日月曜日

6月14日 浅草演芸ホール 6月中席 夜の部

19時の中入り後から初見。客席を半分に減らしての興行だったが、客入りは3分の1未満といったところ。

柳勢、宝塚話の漫談。宝塚のトイレの男女の表示がポーズを決めてて凄いというのだが、トイレの凄さはそんなところじゃないのよ、と思う。
小ゑん「鉄の男」。鉄オタ話の導入部なのか。ゴジラのおもちゃが欲しい子どもに鉄道模型を買ってくるオタクな父。キハとかモハとか。
粋曲の小菊。間のトークが少し声が小さくて聞きづらい。湿気で三味線の調子が悪く、糸が切れてしまったのが気の毒。
文菊は「あくび指南」。待ってましたの声がかかる。間といい、風情といい、上手いねえ。15分だけど堪能した。
さん生「替り目」。マイクの加減か、酔っ払いのセリフが声大きすぎ。
仙三郎社中の仙成、仙志郎の曲芸。
わさび「明烏」。昨年11月に真打に昇進してから初めての主任だとか。3日目のトリで柄じゃないと自嘲。落語家には柄があって、白酒は毒、一之輔は乱、自分は雑と言っていたが、確かに雑というか忙しない感じ。時間に追われているような語り口で勿体ない。坊ちゃんの堅くてウブな様子は良かった。

2020年5月24日日曜日

5月23日 エイチエムピー・シアターカンパニー「ブカブカジョーシブカジョーシ」

仮想劇場ウイングフィールドで、vimeoを使ったオンラインの上演。
中間管理職のジョーシ(高安美穂)が、問題のある部下アメミヤ(ナカメキョウコ)の突き上げと、上司からの圧力の板挟みになり、追い詰められていくという不条理劇。
別々の場所にいる俳優の姿を白黒に変換して重ねることで、1つの画面上にあるかのように見せる。デフォルメされた姿は、シュールなアニメーションのようで、作品世界に合っていた。音声は別録りだったのかおおむねスムーズだったが、動画は時々フリーズするなど課題あり。人物の位置関係がビミョーにずれたり、サイズ感がいびつだったりするのも、この作品には嵌っていた。
新型コロナ感染症の拡大防止のための緊急事態宣言下で、集まっての稽古も、上演もできないという、特殊な条件下だったが、演劇の新たな挑戦ではあろう。
映像を駆使した作品を手掛けてきたこのカンパニーならではで、他所でもすぐにできるというわけではないだろうが。
そして、HMPの女優陣の達者さ。こんなに不鮮明な映像でも水谷有希の格好良さを再認識。宝塚の男役のような凛々しさ(でもヅカほどわざとらしくない)があるのだ。

2020年4月30日木曜日

4月 国立劇場 令和2年3月歌舞伎公演

菊之助が初めて三役を勤める「義経千本桜」。松竹と同じく、期間限定でネット配信してくれたのはありがたいが、こちらは2時間以内に収めるためにところどころカットされているのが惜しい。本筋には影響しなくても、役者の見せどころだったりするわけで。

Aプロ 伏見稲荷鳥居前の場から、渡海屋、大物浦。
鴈治郎の義経は、品格はともかく、悲壮感が足りない気がする。福々しいから?
鳥居前の静御前は米吉。かわいらしい静。弁慶が誰かと思ったら、亀蔵だった。役によってがらりと変わるのは、芸達者ゆえか。
忠信実ハ源九郎狐の菊之助。花道の引っ込みで狐の素振りが出るところ、少々くどく感じたのは、ネットの画面で観ているからか。

渡海屋、大物浦は、菊之助の銀平。ミスキャストに思えるが、以前の鑑賞教室で意外にも健闘していたのは実証済み。画面で見るせいか、最後の瀕死のところが嘘っぽく見えてしまった。お安実ハ安徳帝は丑之助。少々セリフが棒読みだが、愛される可愛さ。
相模五郎と入江丹前の魚尽くしや、お柳(梅枝)ののろけの件がカットされてしまったのが残念。

Bプロは椎の木、小金吾討死から鮨屋まで。
菊之助初役のいがみの権太は江戸風なのかなあ。シュッとした男前で、ダメ男の可愛げがないのに違和感を覚える。
人相書きと弥助(梅枝)を見比べて合点するところはちょっと説明的。母おくらの前でウソ泣きをするところ、義太夫では「舌がとどかぬ」と言っているのにその素振りはなく、茶で湿らせるだけだったり、家をでたところで「親父が帰ってきた」となぜか家の中に戻り、隠れるのがよく分からん。そのまま家の陰にでも隠れていたらいいのでは?小せんが自ら名乗り出て身代わりになるところも、上方風とは違うのか。

Cプロは道行初音旅から河連法眼館。
道行の静は時蔵。忠信実ハ狐の菊之助はこの役が一番はまっている。逸見藤太の亀蔵の芸域の広さよ。

河連法眼館の静は梅枝。菊之助は忠信の凛々しさ、狐の愛らしさ、身のこなしの軽快さと、申し分なし。

2020年4月26日日曜日

4月 三月大歌舞伎

「新薄雪物語」

全日程公演中止になった歌舞伎座の公演を、期間限定でネット配信したのを所見。
仁左衛門と吉右衛門の顔合わせを楽しみにしていたので、ネットで観られたのはせめてもだけど、やはり生の舞台で観たかった。

伊賀守の吉右衛門、園部兵衛の仁左衛門がいいのは無論、梅の方の魁春の古風なたたずまいがこの芝居にはよく合っている。松ヶ枝の雀右衛門もよき。
薄雪姫の孝太郎、左衛門の幸四郎は、年の差のせいかしっくりこない感じもしたが。