2016年3月10日木曜日
2月22日 文楽二月公演 第二部
「桜鍔恨鮫鞘」
中の松香大夫と喜一郎、前の呂勢大夫と清治、切りは咲大夫と燕三。
前回の大阪公演がよくって期待値が高まりすぎていたのか、それほどとは思えず…。呂勢大夫は後半はまだしも、前半が今ひとつに感じた。
「関取千両幟」
呂勢大夫の口上は落ち着いた様子。大阪の千秋楽は気が急くのかやたら早口だったけど。「辛いけど大好きと申された浄瑠璃を文楽の床で語るのは本日が最後、心中いかばかりか…」という言葉に目頭が熱くなった。
嶋大夫の語りは全く衰えた様子がなく、つやのあるお声。もう聞かれないのかと思うとつくづく名残惜しい。まだ全然聞き足りないと思う。
終演後、舞台上で寛治、簑助から花束贈呈。寛治とは握手もしていた(大阪ではなかったような…)けど、寛治が手をほどこうとしてもなお嶋大夫はしっかりと握っていたように見えた。簑助はおとわの人形で涙をぬぐったり、嶋大夫に抱きついたりとサービス満点。会場が温まった。
そういえば、おとわの着物が縞でなく、黄色地の格子模様?になっていたのはなぜだろう。
2月22日 文楽二月公演 第一部
「靭猿」
三輪大夫の猿曳に始大夫の大名、南都大夫の太郎冠者。始大夫は立派な声で大名らしい。
先月、狂言で見たばかりだが、子猿の健気さや愛らしさは人間の子役のほうが勝っている気がする。
「信州川中島合戦」
輝虎配膳の段は口が希大夫と清馗、奥が咲甫大夫と清介に琴の清公。
越路が膳を蹴り倒すところ、うまく引っ繰り返らず、介錯が処理したのが惜しい。
お勝が琴を弾きながら訴える場面で、輝虎と直江、越路と唐衣がそれぞれ揉み合っていて、全然話を聞いてる風でないのが変な感じ。
直江屋敷の段は文字久大夫と藤蔵。
藤蔵と組んでからの最近の文字久はすごくいい気がする。攻める三味線がいい具合に盛り立てているよう。時代物があっているのもあるが、お勝のどもりが上手くて、誤解を解こうと必死な様子が胸を打った。
2月21日 二月大歌舞伎
「ひらかな盛衰記」
梶原平次景高の錦之助が休演で又五郎が代役。文武に秀でた兄、梶原源太景季(梅玉)をやっかむ弟には二枚目の錦之助よりも合っているかも。
腰元に千寿やりき弥ら綺麗どころが揃い、孝太郎は分が悪い。…と思ったら、最後、梅玉と並んだところは美しかった。
秀太郎の母延寿が厳しさの中に状を見せてよかった。
「籠釣瓶花街酔醒」
菊之助の八ツ橋が期待を上回る美しさ。見染めの微笑みはうっとりと恍惚の表情を浮かべ、観客も息を呑んで見惚れた。
吉太郎の次郎左衛門の惚けた表情も過不足なく。ただ、一場の最後、「宿に帰るのが嫌になった」の台詞に「気持ちは分かる」と大向こうがかかり、うんざり。やたら「二代目」と言っていた人もいたなあ。襲名披露でもあるまいに。
菊五郎の栄之丞はややくたびれた感じで色男に見えず。菊之助と並ぶと年の差が歴然で、この2人親子なんだなと現実に引き戻されてしまう。
愛想尽かしでは、八ツ橋の苦悩が感じられ、引き込まれた。九重の梅枝は年齢以上の貫禄が出ていた。
最終場の惨殺も狂気と美しさがあり、見応え充分。堪能した。
「浜松風恋歌」
海女小ふじの時蔵と船頭此兵衛の松緑。
2月20日 システィーナ歌舞伎「美女と野獣」
愛之助の野獣に壱太郎の美女という役どころからの期待を裏切らず、おおむね楽しめた。話の運びがやや冗長い感じられるところもあったが、愛之助、壱太郎、吉弥それぞれに見せ場があるのも嬉しい。
壱太郎が女形の声で歌ったのはシスティーナならでは。野獣の愛之助がバルコニーで歌いだすと客席からは失笑が漏れたが、まあお約束のようなもの。
美寿々姫の真実の愛で野獣が人に戻るクライマックスは舞台上での早変わりで見たかった。野獣が洋装だったのも疑問だ。
0219 青年団「冒険王」
バックパッカーの生態てこんな風なんだーというのはよく分かるが、で?イスタンブールのドミトリーのある日を切り取ったらこうだろうという以上のものが感じられず。初演時はもっと伝わるものがあったのかもしれないが、時代が変わった今となってはピンと来ない。「新・冒険王」とセットで見たら違ったのかも。
0219 ピッコロ劇団「天空の恋~谷崎と猫と三人の女~」
谷崎潤一郎が主人公のようで、3人の妻を軸に物語が進む。あまり知られていなかった谷崎の人物像が明かされ興味深い一方、説明的で情報過多にも感じた。
前半はややテンポが悪かったが、最後の妻、松子役の島田歌穂が出てきてから雰囲気が一変。それまでパッとしなかった谷崎(春蝶)も魅力的に見えたし、何より2人のやり取りが微笑ましい。
0218 劇団犯罪友の会「白蓮の針」
幕末から明治期の女商人の一代記。大河ドラマのようなスケールの大きな話が、ほぼ一人芝居で繰り広げられる驚き。セットはほとんどなしなのに、川や原っぱの情景が目に浮かんだ。若いころと年取った主人公を、メークや鬘を変えるのでなく、演じ分けた中田彩葉の表現力に脱帽。
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