2016年3月10日木曜日

2月21日 二月大歌舞伎

「ひらかな盛衰記」 梶原平次景高の錦之助が休演で又五郎が代役。文武に秀でた兄、梶原源太景季(梅玉)をやっかむ弟には二枚目の錦之助よりも合っているかも。 腰元に千寿やりき弥ら綺麗どころが揃い、孝太郎は分が悪い。…と思ったら、最後、梅玉と並んだところは美しかった。 秀太郎の母延寿が厳しさの中に状を見せてよかった。 「籠釣瓶花街酔醒」 菊之助の八ツ橋が期待を上回る美しさ。見染めの微笑みはうっとりと恍惚の表情を浮かべ、観客も息を呑んで見惚れた。 吉太郎の次郎左衛門の惚けた表情も過不足なく。ただ、一場の最後、「宿に帰るのが嫌になった」の台詞に「気持ちは分かる」と大向こうがかかり、うんざり。やたら「二代目」と言っていた人もいたなあ。襲名披露でもあるまいに。 菊五郎の栄之丞はややくたびれた感じで色男に見えず。菊之助と並ぶと年の差が歴然で、この2人親子なんだなと現実に引き戻されてしまう。 愛想尽かしでは、八ツ橋の苦悩が感じられ、引き込まれた。九重の梅枝は年齢以上の貫禄が出ていた。 最終場の惨殺も狂気と美しさがあり、見応え充分。堪能した。 「浜松風恋歌」 海女小ふじの時蔵と船頭此兵衛の松緑。

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