小野絢子・奥村康祐ペア。前回からさらに進化してとてもとても良かったのに、小野が体調不良で4幕を降板し最後まで見届けられなかったのが残念至極。代役に立った吉田朱里・井沢駿は難しいところを立派に務めていたが、小野・奥村の物語は終わっていない感じで、不完全燃焼な思いが拭えない。 小野は3幕のソロ、ピケターンの終わりでぐらついたり、グランフェッテでバランスを崩して曲の終わりまでもたなかったりと調子が悪そうではあったが、役としての表現は素晴らしかった。2幕のオデットは儚さの中に芯の強さが感じられ、初めは警戒していた王子に少しずつ心を開いていく様子を繊細に描いた。3幕のオディールは打って変わった悪女ぶり。蠱惑的な表情、仕草で王子を誘惑する。 奥村王子は、1幕の作り笑いで繕いつつも物憂げな表情を隠せない様子から、2幕でオデットと出会ったことで命が吹き込まれたように輝き出す。3幕ては各国の姫君には全く興味がない様子があからさますぎて笑ってしまうほどだったのに、オディールが現れるや、喜びの頂点に。そこから、騙されたと知って絶望に突き落とされ、さて4幕は…ととても楽しみだった。 ベンノの木下嘉人は終始王子を気遣っていて、色々とわかっている感じ。王子との信頼関係が、踊りにも現れている感じ。 王子の友人では姿の良さで中島瑞生が一際目を引いた。クルティザンヌの飯野萌子、五月女遥はしっかりしたテクニックの踊りで、玄人っぽい落ち着きが子どもっぽい王子をあやすようにも見えた。 花嫁候補はハンガリー王女の飯野、ポーランドの根岸祐衣、イタリアの花形悠月。品格の中にライバル意識がのぞき、それぞれの個性も踊りに現れた。4羽の白鳥は赤井綾乃、東真帆、小田那奈、川本果侑。全員がロールデビューだったせいか、揃っていないわけではないのに違って見えた。 ロットバルトの中家正博は盤石。3幕のオディールとの共犯関係がスリリング。4幕は白鳥たちに追い詰められ、無様な最後。
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