2024年10月24日木曜日

10月24日 ワカテ de ワカル フェニーチェ文楽「火群」

午後の部を観劇。

「伊達娘恋緋鹿子」
靖、薫に寛太郎、清方、燕二郎。
安定感のある床。
人形は簑悠が主遣い。首の動きが雄弁で、体全体を使ってよく動いていた。髪を振り捌いてからの動き、三味線との拍子の合わせ方が他の人と違ったのは何か意図があるのか。

火の見櫓の大道具を横から、中の構造が見えるように壁を取り払って解説。前からも後ろからも登れる階段があり、梯子を登るところは上から左、主、足が並んで違うのだそう。裏からも3人で遣っているとはとは知らなかった。

トークは燕二郎、碩、勘次郎、玉延、簑悠。
金殿の段はお三輪感情が大きく変わるので、弾き分け、語り分けが難しいのだそう。燕二郎は師匠から筒いっぱいにと常々言われているそう。碩は女を語るのだけれど語り手が女になってはいけないと。お三輪の感情を出しすぎると可愛くなくなり、加減を試行錯誤。官女は意地悪だけれど高貴な人なので、やりすぎて食堂のおばちゃんみたいになってはダメ。勘次郎は初役のお三輪。巡業中も師匠や簑紫郎に稽古してもらったそう。左や足は何度も遣ったが、主遣いの出や合図が遅れると全体が崩れてしまう。左の簑紫郎や足の勘昇に助けられた。 太夫によって少し解釈が違うので、碩と燕二郎の録音をもらって練習したとか。勘十郎は「太夫の語りの中で役をより膨らませるのが人形遣いの仕事」(大意)と。

「妹背山女庭訓」金殿の段

床は碩・燕二郎。
碩は貫禄を感じさせる語り出しで筒一杯の熱演が頼もしい。疑着の相になったところは迫力があり過ぎて、般若というか、人ならぬものに変じてしまったように感じた。燕二郎も力強く熱演。前半は掛け声に力が籠るあまり太夫よりも前に出ているようだった。
人形は勘次郎のお三輪。動きが少し小さくまとまっていたかも。


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