団子のヤマトタケルは役の年齢に近いせいか、リアリティが増す。我が道を模索する若者の迷いや苦悩を吐露するセリフが胸に響く。三代目猿之助は映像でしか観たことがないけれど、四代目も、そりゃあ上手いのだが、演じている感が常にある。団子は役になりきっているというか、それだけ必死ということもあるのだろう。大碓命と小碓命の早替わりは鮮やかで、声の使い分けもはっきりしている。大碓が弟橘姫に言いよるところで「男というものは色々な女が欲しいものだ」というようなセリフ(うろ覚え)にドキリとした。最後の宙乗りは長い手足で羽ばたく姿がスラリとして映える。
兄橘姫と妹橘姫は壱太郎が二役で。意思のある女性像を描いていて、妹橘が海に身を投げるところなどしっかり魅せた。
倭姫の笑三郎はともかく、笑也が尾張の国造の妻だけというのは物足りないが、団子の相手役というのは厳しいのか。
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