解説は千寿。 英語での自己紹介の後は通訳を挟んで。女方の実例として當史弥が化粧から実演する様子を映像で紹介。外国人は笑っていたが、花魁姿が美しかった。
開演前には劇場前でスタッフが呼び込みをしていたり、外国人観光客を呼び込もうという取り組みはいいけど、この内容で6000円は高いと思った。
「源平布引滝 九郎助住家の段」は亘・清公。
声の調子が悪いのか、太郎吉の声が掠れていて可愛くない。高音も苦しそう。畳み掛けるように語ってほしいところが少しモッタリするというか。瀬尾の憎々しさは役に合っていた。
「絵本太閤記 尼が崎の段」は小住・清丈。
落ち着いた語りだが、少し型にはまりすぎているかも。もっと爆発するところがあってもいいと思う。初菊の可憐さも足りない。清丈はメリハリの効いた演奏。
「七福神宝の入舩」
三輪の寿老人、津国の大黒天、咲寿の弁財天、小住の布袋、碩の福禄寿、聖の恵比寿、薫の毘沙門。三味線は勝平、清馗、清丈、寛太郎、錦吾、清允。
薫は上目遣いでどこを見ているのか。
「近頃河原の達引」
四条河原の段は睦の伝兵衛、靖の官左衛門、文字栄の勘蔵、南都の久八に団七。
睦は伝兵衛は高めの声で、ちょっと頼りない二枚目らしい。靖の官左衛門も役にあっている。
堀川猿回しの段は前半を錣・藤蔵に清方のツレ。後半は呂・清介に清公のツレ。
切語りに切り場を2つに分けて語らせるのはいかがなものか。呂は猿回しの歌では声がよく出ていた。
人形は勘十郎の与次郎に愛嬌がある。小猿は弟子だと言っていたが、体つきからすると勘介?
簑二郎のおしゅん、玉佳の伝兵衛はすっきりした二枚目。
「平家女護島」
織・燕三。75分ほどを一人で語り切り、力の入った大熱演…なのだが。
初めの謡がかりからあれ?と思ったが、俊寛が男前だったり、千鳥が賢しげだったり、なんか違う感があって物語に入り込めなかった。
人形は玉男の俊寛、文哉の康頼、勘市の成経、玉助の瀬尾、玉也の丹左衛門。勘市が成経のような若い二枚目を遣うのは珍しく、玉助と玉也はいつもだったら逆の配役になりそう。一輔の千鳥が可憐。
「伊達娘恋緋鹿子」
八百屋内の段は藤・宗助。
珍しい段を珍しい組合せで。
火の見櫓の段は希、亘、碩、聖、織栄に清友、清志郎、友之助、燕二郎、藤之亮。
前段からの上演なので、お七だけでなくお杉や弥作、武兵衛らが出てきて剣を巡って立ち回り。