2022年11月3日木曜日

11月3日 Kバレエカンパニー「クレオパトラ」

50歳の熊川哲也シーザー役で久しぶりに舞台出演するというので、それを目当てに行ったのだが正直期待はずれ。登場シーンでは一瞬熊川と分からず、会場の拍手で気づいたほど。往年のようなテクニックは望むべくもないが、年齢を重ねたからこその存在感やオーラを期待していたのだが。なんだか肩のあたりが丸く見え、冴えない普通のおっさんのよう。政治家として頂点に登っていこうという人物の力強さは感じられなかった。ダンスシーンは結構あり、跳躍なども見せたが特筆するほどではなく。女性ダンサーをリフトするところはちょっとしんどそうだった。

クレオパトラの日高世菜はバランスや回転、ジャンプの安定感があり、確かなテクニックで魅せる。シーザーを誘惑する場面では妖艶さがあるが、なんでか可愛らしい感じもあり、一国を統べる女王の大きさは足りないと思った。 蛇のように、床に寝そべって身体をくねらせる仕草はいただけないと思った(彼女のせいではなく、振り付けの問題だけれど)。

オクタヴィア役は古典的な振り付けが他と違って印象的。成田紗弥も良かった。

初演の時も思ったけど、作品としては今ひとつ。音楽が物語に合っておらず、ドラマに入り込めない。曲とマッチして盛り上がるのは冒頭とラストだけで、他はあまり印象に残らなかった。

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