「半獣神の午後」
平山素子振付の新作は総勢15人の男性ダンサーで、福田圭吾のソロ、奥村康祐と中島瑞生のデュオ、群舞のパートで構成。はじめは群舞のなかに福田が混ざり、福田が起点となって全体に波紋を起こすような踊り。アラブ風のパンツに上半身は裸でボディペイントを施した衣装がダンサーの肉体を引き立てる。これだけ踊れるダンサーが飛んだり跳ねたり回ったりすると迫力がある。
デュオは赤いレオタード?の奥村に紫のタイツの中島が、光と影、陽と陰のようであり、主客が入れ替わったり、対峙したり。リフトしたりされたりと絡みが多く、女性ダンサーとのパドドゥとは違って拮抗した感じ。普段はリフトする側の男性ダンサーは持ち上げられるとどんな気分なんだろうと思うなど。
「春の祭典」
こちらは一転して、2台のピアノによる生演奏に、米川唯と福岡雄大のデュエット。ストラヴィンスキーの複雑な音楽といい、もがくような振付といい、祭典というタイトルながら祝祭感はない。2人とも身体能力も表現力も素晴らしいのだが、米沢の華奢な身体でこういう振りを踊ると痛々しく感じる。
ラストは舞台に敷かれていた布?が後方に巻き込まれ、米沢、次いで福岡が黒い幕の向こうに呑まれていく。
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