江戸時代の勧進能を模して、江戸時代の扮装など当時を再現するという趣旨と聞いていたのだが、ちょっと中途半端。受付スタッフらが丁髷や日本髪で、能奉行役の辰巳万次郎が丁髷に長袴の裃姿で登場し口上を述べたり、ワキが丁髷姿だったりしたが、他の出演者は普段通りの姿だったので、チグハグというか、一部の人がコスプレしているだけみたい。
「墨塗」
大蔵基誠の大名、榎本元の太郎冠者、吉田信海の女。
基誠は大柄なこともあって立派な大名。吉田は墨の塗り方が涙のようでなく、雑に見えた。
以前見たのとだいぶ印象が違ったのは何故なのだろう。確か茂山狂言会だったので、同じ大蔵流のはずなのだが…。
宝生和英のシテ、渡守は森常好、旅人は舘田義博、梅若は出雲路啓。
宝生和英は初役だそう。前半、笠を被っているときは小柄なせいか、母というより童女のよう。後半、船に乗って渡守から塚の由来を聞く段では、京から連れられた吉田何某の子と言われたところではっと顔を上げ、亡くなったことを知るとがっくりと音を立てて姿勢を崩すさまに母親の思いが溢れた。 終盤、塚から念仏を唱える子どもの声が聞こえ、実際に子方が姿を表す。母と子が互いに手を伸ばすのだが、触れられずにすれ違う。歌舞伎や舞踊では子役を使わないので、違いが興味深い。
宝生和英は初役だそう。前半、笠を被っているときは小柄なせいか、母というより童女のよう。後半、船に乗って渡守から塚の由来を聞く段では、京から連れられた吉田何某の子と言われたところではっと顔を上げ、亡くなったことを知るとがっくりと音を立てて姿勢を崩すさまに母親の思いが溢れた。 終盤、塚から念仏を唱える子どもの声が聞こえ、実際に子方が姿を表す。母と子が互いに手を伸ばすのだが、触れられずにすれ違う。歌舞伎や舞踊では子役を使わないので、違いが興味深い。
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