「中国の不思議な役人」
予備知識ゼロで見たら、さっぱり分からなかった。無頼漢の首領(鳥海創)という役どころがまず不明だし、娘だと思っていたら男性ダンサー(宮川新大)だし、ジークフリート(ブラウリオ・アルバレス)がターザンのような恰好なのも謎だし、若い男(伝田陽美)、中国の役人(大塚卓)やらの関係性もよくわからなかった。後で原作のあらすじを見てみたけれど、それとも違うようだ。
労働者階級のようなジャケット・パンツにハット姿の群舞が、様々なフォーメーションで舞台に展開するがベジャールらしく、面白かった。
労働者階級のようなジャケット・パンツにハット姿の群舞が、様々なフォーメーションで舞台に展開するがベジャールらしく、面白かった。
「ドリーム・タイム」
武満徹の音楽にイリ・キリアンが振付。
3人の女性に2人の男性ダンサーがからむ、夢のようなひと時。衣装、照明も美しかった。
「かぐや姫」
金森穣振付の新作というので期待。会場の告知によると、今後、2幕、3幕を制作し、再来年にフルバージョンを上演するはこびだそうで期待したい。金森はバレエ団への振り付けは初めてだそうだが、群舞もパドドゥも金森らしさがありつつも、美しく自然な感じ。道児の柄本弾をはじめ村人や童、かぐや姫、翁も裸足なのは、田舎の表現か。ラスト、着飾って都へ行く場面のかぐや姫はポワントだったので、その後はポワントの踊りになるのかな。
かぐや姫の秋山瑛は小柄で可憐な様子がかぐや姫に似合いそう。1幕は子ども時代のためか、やんちゃで元気がいい。
残念だったのは、背景に映像が使われていたところ。冒頭の桜の花びらは安っぽく、竹林や小判が飛び出すところなどは、舞台表現で十分だろう。スクリーンに映るものを見たいなら映画館に行けばいいので、舞台芸術に持ち込むのは興ざめだ。冒頭から登場する、波や竹林を表現するコールドの衣装もいただけない。メタリックな光沢のある(ラメではないらしい)生地で手や脚の側面にフリンジがついているのだが、安っぽく見える。絹の光沢くらいに抑えるほうが、場面の美しさが際立つのになあと思った。
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