「木六駄」
千五郎の太郎冠者に宗彦の主、七五三の茶屋、松本薫の伯父。
千五郎の実力を初めてと言っていいくらい体感した。牛を追う様で12頭の牛を引き連れる空間の広さが感じられ、雪の降る中で往生する辛さが身に染みた(今と季節感には外れるけど)。笑いを取りに行くより、こういうちょっと渋い作品のほうが本領が発揮されるのかも。
「泰山木」
世阿弥作とされながら、観世流には伝わっていなかったという復曲もの。(金剛流では「泰山府君」の題で所演)観世清和の天女、泰山府君には金剛永謹を招き、ワキに福王茂十郎、和幸、知登の親子、アイの花守には茂山千三郎という顔ぶれ。
福王親子が3人そろって声を発すると、声がよく似ているということがよくわかる。独特の深く、響きのある声が異世界に誘う。
桜を愛で、盛りの短さを惜しむという物語の起伏はあまりない。復曲時には、世阿弥の時代のようにシテやワキも地謡を謡う演出だったそうだが、今回は現行型の地謡だったので、特に目新しさもなく。
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