2021年4月18日日曜日

4月17日 文楽公演 第二部

「国性爺合戦」

感染拡大が続く大阪に来ていいのか迷ったけど、簑助が今月限りで引退を表明したので意を決して来阪。来てよかった。

簑助が登場する「楼門の段」は呂勢・清治。大和風だという、美しい節が呂勢の美声で心地よい。清治の三味線も心なしか柔らかく聞こえ、約50分の耳福。
簑助の違う錦祥女が登場すると、いつもより大きく、長い拍手。この間も床は演奏を続けているわけで、手短に!と思わなくもないが、気持ちはわかる。簑助は楼門の上でほとんど動かないながら、表情豊かな人形遣いは健在。ただ、いつもは自身の顔や目線はあまり動かさない印象だったのに、この日は人形より先に簑助ご眼下の老一心を覗き込んだら、遠方を見やるような様子が見受けられた。
(翌日再見。簑助はいつも通り。途中、老一官が長めに語るところで椅子に腰掛けているようなが様子があり、そのせいでいつもと違って見えたのかも)

続く「邯鄲館の段」は呂・清介。力の入った三味線には及ばないものの、今日はよく聞こえるな…と思っていたら、盆が回って次の藤・清友の音量が全然違う!(翌日改めて聞いてみると、やはり声量が足りない。甘輝が錦祥女に剣を突き立てる緊迫感のある場面での立て詞も気が抜けたようで、聞くのが辛かった…)

紅流しより獅子が城の段は藤・せいとも。藤はタガが外れることもなく、ここぞという時は大きな声がよく響いた。

初めの「平戸浜伝いより唐土船の段」は掛け合い。希の和藤内、小住の小むつはニンからいったら逆では…とおもったが小住が検討。希は声は悪くないのに、一本調子というか、板についてない感じがする。ほか、津国の老一官、南都の一官妻、咲寿の栴檀皇女。「とらやうやう」て何だろう?中国語らしさが全く感じられないのだが。
三味線は清志郎、清丈、清公。

千里が竹虎狩の段は口が御簾内で亘・清允。奥は三輪に団七、団吾、錦吾。この段って三輪の持ち役なの?虎役がひょうきんな動きで笑いをとっていた。三輪とのからみはあっさりめ。

人形は玉助の和藤内。人形より本人の演技が大きいのが目についた。表情がついてしまうくらいはまあ仕方ないところもあるだろうけど、人形よりも大きく首を振ったり、睨みをきかせたりするのはどうかなあ。
甘輝館から後の錦祥女は一輔。終始眉間に皺がよってたようなのはいかに。人形は簑助が遣っていたものと冠や髪飾りが違った。座るとき左の膝を立てていたのはワザと?それにしては半端な感じだったが。
栴檀皇女の清五郎が珍しい若い女形で、可憐だった。

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