2025年4月5日土曜日

4月5日 林喜右衛門襲名披露能

たくさんの花束、盛装した観客、そして何より出演者が大勢で、華々しい襲名披露。

舞囃子「高砂」は観世三郎太。手足が長いせいか、静止している間が長く感じる。 蓮吟「日蝕詣」

能「卒都婆小町」
宗一郎改め喜右衛門のシテ。襲名にあたって観世宗家が上演を許したそうだが、40代で老女ものはやはり映らないというか。一度之次第の小書きで、小町が橋がかりを歩いてくるところから始まるのだが、舞台にたどり着くまでの長いこと。その後、ワキの福王茂十郎、ワキツレ知登が登場して卒都婆問答になる。問答はどうということもなかったが、深草少将の霊が乗り移ってからは表情がグッと増した感じがした。ひとしきり、恨みつらみを述べたのち、小町が出家すると言って終わるのは唐突な感じだけれど、不思議な爽快感がある。
裏千家業躰・林松響階会長の金澤宗達氏の挨拶を挟んで、
狂言「末広かり」は千五郎の主人、千之丞の太郎冠者、忠三郎のすっぱ。千五郎の大物感、千之丞の軽妙さ、忠三郎は策士な感じ? 主人が怒って、飛び上がって勢いよく座り込むところに迫力がある。忠三郎の装束がタイガースカラーに見えた。
仕舞「老松」山本章弘、「通盛」上野朝義、「西行桜」大槻文蔵、「二人静 キリ」吉井基晴・上田貴弘、「山姥」大西礼久。 一調「張良」有松遼一・前川光範。「笠之段」藤井完治・大倉源次郎。 小舞「子の日」茂山七五三。 仕舞「嵐山」片山信吾、「屋島」浦田保浩、「誓願寺 キリ」井上裕久、「網之段」杉浦豊彦、「野守」大江伸行。
仕舞、一調がこんなに並ぶと壮観。

能「石橋」は観世清和のシテ、喜右衛門、彩八子、小梅のツレ。子方は赤い鬘に鼻から下を覆うマスク。親獅子の白頭に対し、赤頭の子獅子3頭のところ、所作台から子獅子を蹴落とすくだりで喜右衛門も一緒に蹴落としているように見えるなど、親2頭、子2頭に感じるところも。。喜右衛門は卒都婆小町と打って変わってキビキビとした所作に勢いがあり、喰らいつく娘たちの懸命さも相まって、とても見応えあり。

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