米沢唯が全幕復帰。1幕は華奢で儚い少女。ほんとに体が弱そうで、心臓発作で苦しむところなどリアルな演技だった。2幕は軽さというより浮遊感があり、人ならぬものの感じがすごい。墓から出てすぐの回転など、何かに操られているよう。
井澤駿のアルブレヒトは軽薄な感じ。バチルドの前では知らんふり。ジゼルが死んだ時も、悲しみよりもヒラリオンへの怒りが強い。
ヒラリオンは中家正博。悪い人ではないのに、浮かばれない悲哀がある。2幕の冒頭、舞台中央で佇む姿にも誠意が感じられる。
ペザントは飯野萌子と山田悠貴。山田の跳躍が高くキレがある。村人たちを率いて踊るのが勢いがあってワクワクする。
ミルタの根岸祐衣は登場時のパドブレの細かさと速さが異世界の雰囲気を醸し出す。ちょっと厳ついくらい威厳があり、不思議な力を秘めていそうで恐ろしい。
モイナの東真帆は滑らかなライン。ズルマの直塚美穂はシャープな踊りゆえか生命力が感じられ、生身の強い女みたい。ヒラリオンを引っ立てて崖から突き落とすところなど、喧嘩強そう。
カーテンコールは満場の拍手。米沢は涙ぐんでいるように見えた。
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