2024年7月8日月曜日

7月8日 七月大歌舞伎 夜の部

「義経千本桜」 

木の実から小金吾討死、すし屋。
仁左衛門の権太はもう何度目か。木の実で小金吾の荷物と取り違えるところで笠で手元を隠すなど芸が細かい。首実験で本物の松明は以前から? 煙が目に染みる演技がより自然に見える。小せんは吉弥。情のあるいい女房だが、なぜか姉さん女房に見えた。花道での「瑞々しいなあ」はどうしても秀太郎を思い出してしまう。倅善太郎は秀乃助(歌昇の次男?)はかなり小柄で幼く、仁左衛門が背負うにはいいのだろうが、セリフが拙かったのが残念。
萬寿の維盛は品よく、不足はないのだが、梅枝の鮮やかな変化を見ると少し物足りない。壱太郎のお里が可愛らしく、歌六の弥左衛門、梅花の女房のバランスがいい。若葉の内侍は孝太郎、六代君は種太郎。


「汐汲」

扇雀の苅藻、萬太郎の此兵衛。
扇雀は体格がよくどすこい感が、、、。萬太郎と並ぶと大きく見えるのは損だ。


「八重桐廓噺 嫗山姥」

梅枝改め時蔵の襲名披露。
時蔵の八重桐は喋りの間がよく、長い一人語りを全く飽きさせない。嫗山姥は何度か観ているが、こんなに面白かったのかと思う。最後に時行の魂が乗り移ってからの変わり身が別人のよう鮮やか。
煙草屋源七実は坂田蔵人時行は菊之助が華を添える。女房に見つかり隠れてしまったり、敵討がなされているのを知らなかったり、挙げ句の果てには勝手に切腹してしまったりといいところがない。沢瀉姫の壱太郎はおぼこい姫を好演。白菊の孝太郎、鴈治郎の太田十郎。萬太郎の腰元お歌はちょっと意外な配役だったが、ちゃきちゃきした女中という感じ。襲名を寿ぐ感じでよき。

竹本は葵太夫で、景事の声質ではないと思うのだが、格調高かった。

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