2024年7月28日日曜日

7月27日 新国立劇場バレエ団「人魚姫」

初演の初日に期待が高まりすぎたのか、少し物足りなく感じた。話の筋に関係のない群舞が多く、全体として物語がわかりづらいと感じた。たくさんのダンサーが踊るのは振付としては面白いのだが、子供のための作品と銘打つなら、人魚姫や王子の心情を丁寧に描いて欲しい。(と思ってしまうのは、地主薫版と比較してしまうからかも…)

プロジェクション?を用いた海の底の情景は美しいが、舞台装置が少ないせいか小ぢんまりして見える。衣装も存外凡庸。(2023年のDance to the future で披露した小品の時の衣装が素敵だったと思ったらこちらは木下嘉人の振り付けだった) 

体調不良で降板した米沢唯に代わって廣川みくり。悪くはないが、ハッとするものはなかった、王子の速水省吾は悪意なく軽薄な王子らしい人物造形。高いジャンプや回転のテクニックを遺憾なく発揮する。奥村康祐の深海の女王は圧倒的な存在感。悪役かと思いきや、ナイフを忘れた人魚姫を追って地上まで来てしまう世話焼き。タコ足の衣装がイマイチ。

振付の貝川は休憩中もロビーにいて写真撮影に応じたあり、終演後はオペラシティ内のレストランに出没したりと、観客に近い感じだった。

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