2024年7月21日日曜日

7月21日 夏休み文楽公演 第2部

「生写朝顔話」

宇治川蛍狩の段の口を聖・清公。
聖は盆回しで出てくるのは初めてでは。10半ほどを一人で語ったが、堂々として良く声も出ていた。清公は先輩らしい落ち着き。
奥は睦・勝平。
出だしはよかったが、やはりという若い女性の言葉に難あり。深雪や浅香の声がああも掠れていては、美しい娘とは思えない。勝平の安定感。

明石浦船別れの段は芳穂・錦糸。琴に清方の名があったが、盆の裏で姿は見せず。
それまでと比べて人物描写が的確で、物語に立体感が出た。女主人公らしい流麗なくても旋律も錦糸の三味線がしっとりと聞かせる。

浜松小屋の段の前を呂勢・清治。
期待に違わぬ床。 落ちぶれた身を嘆く深雪が哀れ。
後は小住・清馗。
急にボリュームを5メモリくらい上げたような大声でびっくり。立ち回りのシーンがあるから?

嶋田宿笑い薬の段の中を咲寿・寛太郎。
終始上擦ったような発声で、10代の子どもがはしゃいでいるみたい。寛太郎のきっぱりとした三味線が救い。
次を織・藤蔵。
チャリ場にしては重々しいというか。藤蔵の三味線もどちらかというと思いので、聞く方が緊張感を強いられる。咲の軽妙さが懐かしい。
宿屋の段は錣・宗助。琴は清允。
切場の貫禄。
大井川の段は千歳・富助。千歳にはすこし軽い役かもしれないが、切場らしい品格があり、満足感があった。

人形は和生の深雪に玉男の阿曽次郎、勘十郎の祐仙と人間国宝揃い踏み。(なのに客入りの悪さよ…。ほぼ半分しか入ってなかった)

0 件のコメント: