2024年3月2日土曜日

3月2日 文楽京都公演 Bプロ

解説は碩。桂川は実際にあった出来事を元にしていると言いながら、ご当地京都が舞台ということに触れなかったのはもったいない。

「桂川連理柵」

六角堂の段は睦・勝平。
高音の掠れもなく、よく声が出ていて、いい睦だった。

帯屋の段の前は織・燕三。
お絹の思わず義母に食ってかかるところ、ヒステリックな感じはキャラじゃないと思う。儀兵衛の笑いも耳に触る。燕三が何だか悲しそうな顔で、体調が悪いのかと心配。三味線は美しかった。

後は呂勢・錦糸。
ガラリと雰囲気が変わって、落ち着いた語りぶりが心地よい。お半の「おじさん」の破壊力。長右衛門と抱き合うところが官能的というか艶かしくて、これまで見たことないお半長に驚いた。人形の一輔、玉也のおかげもあるだろう。錦糸の三味線は派手さはないけど、的確なのだと感じる。

道行朧の桂川は咲寿、碩、織栄に友之助、錦吾、清方。
咲寿はフシの音程があれ?というところもあったが、落ち着いた語りになってきた。

人形は何より一輔のお半が!あざとさや媚びた感じは全くないのに、14歳の少女の危うさというか、長右衛門がどうにかなっちゃうのもわかる気がする。玉也の長右衛門は分別のある落ち着いた中年男の風なのに、お半に翻弄されてしまう弱さに色気がある。
儀兵衛の玉佳は憎めない敵役。亀次のおとせは本人と似てる。玉助の繁斉は珍しい老け役だが、頼りなくてお前がしっかりしないから…と思わせる。

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