「安宅」は金剛龍謹のシテ、義経は謹一郎。富樫樫某は宝生欣哉。強力は野村又三郎、富樫の従者は野村信朗。
龍謹は弁慶の装束が似合う。声もよく、堂々とした弁慶。謹一郎は大役のためか緊張した面持ち。義経の臣に一門が揃うのだが、背がまちまちでばらばらな感じ。
「佐渡狐」は七五三の奏者、越後の百姓を島田洋海、佐渡の百姓を宗彦。
袖の下を一度は断りながらも受け取り、ニヤリと笑う七五三のおかしみ。宗彦と共犯の目配せする間の息のあった様子が笑いを誘う。
「泰山府君」
天女の舞の小書。泰山府君に金剛永謹、天女に観世清和という、異流の宗家による競演が貴重だ。天女は金剛流の雪の小面、泰山府君は観世流の小癋見をかけるという趣向。
ワキは福王茂十郎、花守は茂山忠三郎。
桜の開花はまだだったが、春を先取りするような華やかな舞台。
0 件のコメント:
コメントを投稿