2024年3月17日日曜日

3月17日 三月花形歌舞伎 松プロ

口上は壱太郎。コースターもまた壱太郎だったし、今回は壱太郎づいているのかも。

「心中天網島 河庄」

今まで見たことない新鮮な河庄だった。隼人の孫右衛門になんともいえないおかしみがあって、出て来た時から挙動不審というか、慣れない侍のふりに必死な様子。右近の治兵衛とのやり取りなんか漫才のよう。これまで観たのは弥十郎やら梅玉やら、ベテランだったので、年相応の貫禄が兄らしさにもなっていたけれど、隼人は治兵衛と変わらないくらい頼らない感じ。
右近の治兵衛は、セリフは鴈治郎の写しで、上方言葉に違和感はない。やはりシュッとして、背筋に芯が入っている格好良さ。情けなさは薄くて、ワガママも上からな感じがして、母性本能をくすぐる感じではない。でも小糸があれほど惚れるくらいだから格好良くていいのかと思ったり。 
壱太郎の小糸は、力無く俯いている様がなんとも哀れで、上方和事の風情を一人色濃く醸し出していた。男2人と違う次元にいるような感じがしないでもない。

太兵衛に千次郎(今日が誕生日だったそうで、口上で壱太郎が話していたので登場時の拍手が一段と大きかった)、善六に千寿の上方コンビ。こういう配役が見られるのも、南座の花形ならでは。千次郎のセリフに愛之助みを感じた。千寿の口三味線は掛け声多め。

「忍夜恋関扉」

隼人の光圀は絵に描いたような二枚目ぶり。 壱太郎の滝夜叉姫は桜とあまり変わらない感じ。
ラストは屋根の上で滝夜叉姫と光圀が対峙。



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