「一谷嫩軍記」
解説は珍しく藤太夫。さすが年の功で、分かりやすくいい解説だった。文楽とは、能、歌舞伎と並ぶ日本の三大劇で、作品は三大義太夫の一番いいところを書いた並木宗輔が最期に書いた作と紹介。陣屋までのあらすじもきちんとまとめ、初めての人も物語に入って行きやすいのでは。
靖・勝平。出だしからちょっと声が上ずっている感じで、最後までそのままだった。端場だから調子を上げていたのかもしれないが、三味線の調子と合っていない気がした。藤の方との語り分けも甘い。
熊谷陣屋の前を千歳・富助。切語りとしての風格を感じさせる堂々とした語り。35分ほどで終わってしまってあれ?と思ったら、前の方が難しいのだそう(織太夫談)。
後は藤・藤蔵。このコンビは久しぶりか。藤の語りは師匠が存命の頃に比べて軽くなったというか、伸び伸びしてるというか…だが、50分ほどを一気に語り切り緊張感が途切れなかった。
人形は玉助の熊谷は、下手に控えている時の足が不恰好に曲がっているなどして決まらない。一輔の藤の方は品がある。玉佳の義経で一際大きな拍手。それほどの役ではないと思うのだが、贔屓がいたのか。
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