軍の招聘で上海に渡った服部良一(松下洸平)が、「夜来香」の作曲者黎錦光(白洲迅)、李香蘭(木下春香)らと、1945年6月にコンサートを開催する。物語はこのコンサートの模様として生演奏の歌唱があり。その間に過去のエピソードを混ぜ込む構成。
冒頭、「こんなご時世なのにご来場くださり…」みたいなセリフがあり、もちろん、太平洋戦争の終戦間近の混乱した時期という設定なのだが、ロシアによるウクライナ侵攻という時勢とも重なって見える。
松下が目当てで観に行ったのだが、はしゃぎすぎに感じるくらいのテンションの高さがいただけなかった。服部良一の為人がそうなのかもしれないが、戦時下の日本男性として違和感。座長としては立派につとめ、舞台を引っ張っていたとは思うけれど。
ジャズバーの女主人?マヌエラ役に夢咲ねね、川島芳子役に壮一帆、共産党のスパイ、リュバ・グリーネッツ役に仙名彩世と、宝塚出身者が多く、それぞれに歌を披露する場面があったこともあって、どことなく宝塚風味が漂う。夢咲は、気風のいい女性という役どころなのだろうが、口調や動きが雑な印象。深いスリットのチャイナドレスで踊るところなど、柔らかみにかける直線的な仕草が残念な感じ。壮一帆は元男役だけあって、男装は決まっていたが、女装のチャイナドレス姿で1曲披露したのは?? 観客の混乱を見越してか、歌い終わってから「川島芳子でした」というのもなんだかだ。仙名はミステリアスな雰囲気が役に合ってよかった。途中1曲披露したのは、別役でだよね? リュバは子どものころの李香蘭に声楽の指導をした人物という設定だったけど…。
コンサートを企画した陸軍中将山家亨役の山内圭哉、憲兵隊長役の山西 惇ら、個性的なキャストが脇を固め、全体としてはまとまっていた…のかな。
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