2022年1月10日月曜日

1月9日 初春文楽公演 第3部


「染模様妹背門松」

生玉の段を希、亘に清馗、清方。
掛け合いかと思ったら、希がメインで語り分けていた。亘が語るところで初めて清方が一人で演奏するのを聞いたが、一音一音丁寧に弾いている感じで快感が持てた。

質店の段は千歳・富助。世話ものも悪くないなと思ったのは、この段の実質的な主役が久作だからか。爺が切々と訴える様が泣かせる。けど、このまま2人を置いておいては心中しかねないと分かっていて、なんでみすみす見逃すかなぁ。おかつも、もうすぐ正月だからなんて言わずに、さっさと引き離しておいたらよかったのにと思ってしまう。

蔵前の段は病気休演の織に代わって藤・宗助。宗助の三味線は手堅い。藤は悪くないのだろうが、この話に共感できないので…。織だったら違っただろうが、もっと感動できないような気がする。

人形は清十郎のお染、勘弥の久松。お染は首が埋まっているようというか、鳩胸すぎるというか。娘の人形は、うなじが大事なのでは? 玉也の久作の安定感たるや。この爺かいるから物語が成立している気がする。清五郎の質入れ女房が哀れ。

「戻駕色相肩」
睦の次郎作、靖の与四郎、希の禿に咲寿、小住、文字栄。三味線は清友、団吾、友之助、錦吾、清允。
十数年ぶりだそうだが、やらなくて正解だと思う。睦はやはり声が掠れ気味で、つられたのではなかろうが希も禿の詞が掠れて小さい。他のところでは声は出ていたので、意図的だと思われるが、なぜ?
人形は玉志の次郎作、玉助の与四郎。西と東の二枚目ということのようだが、与四郎が意外に江戸前風にシュッとしている。禿は簑二郎。

びっくりするほど客が入っていなくて、後方席はガラガラで中央前方ブロックですら空席Kが目立つ。少し心配になった。




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