第1部の「ツクヨミ~the moon~」は和物レビュー。尾上菊之丞の演出なのだが…。
桐生麻耶が蘇我入鹿、伊達政宗、堀部安兵衛と三様の男に扮するのだが、駆け足すぎてそれぞれの役の掘り下げが浅いし、脈絡がよく分からん。冒頭は大和風の衣装での群舞。あまりないパターンだし、目にも鮮やかで素敵なのだが、大化の改新のドラマが込み入って分かりづらい。蘇我入鹿って先帝(女帝)の隠し子なの?そして、引退公演とはいえ、トップが滅ぼされる側ってどうよ。ただ、桐生はトップとしての風格が増し、立っているだけで存在感を放つ。低音の良さが生きて、歌も良かった。こんなに歌のいい人だったかと思った。
唯一見応えがあったのは、政宗と出雲阿国(楊琳)の舞比べ。政宗が阿国を押し倒す場面もあったり、楽しませた。が、これもなぜこの組み合わせ?と疑問が尽きない。
和物といいながら、ロック調の曲やステップが多く、日舞らしい振り付けが少なめだったのも残念だった。
第2部は荻田浩一演出の「Victoria!」。
オーソドックスな洋物レビューで、取り立てて印象はないのだが。ラインダンスはコロナ禍で人数が少ないせいか、ダンサーの間隔が広く、一体感が薄いし、スピード感も物足りなかった。
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