「内外詣」
金剛流のみに伝わる曲で、舞がたっぷりの祝賀的な演目。
シテの神主は金剛龍謹。直面でやや緊張した面持ちながら、面がないと美声がより聞こえるのがよい。中入りした後、後シテでは白装束に赤毛の鬘、2枚重ねた扇とマスクで獅子の舞い。機敏な動きで舞金剛らしい勇壮さ。隙間からのぞく眼差しもいい。後見座で再び神主の扮装にもどるのも興味深い。後見が獅子の装束で目隠しをするなか、2分ほどでの早替わり。神主の舞いは荘厳。
ツレの巫女は山田伊純。若さゆえか舞には少し稚気が感じられた。ワキツレが2人もいて1人は舞台にかかる位置に座っていたので、舞の途中、ほとんど接触しそうなくらい近づいてはらはらした。
ワキの勅使は福王知登。深みのある声が父、茂十郎を思わせる。
地謡は6人でマスク着用。半分くらいは見知らぬ名前で、東京の門弟か。そのせいかは分からないが、地謡のまとまりが今一つだった気がした。
冒頭に石田ひかりと金子直樹の解説。石田が聞き手になる形なのだが、中途半端に知ったかぶりをするのが不快。
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